金色のコルダ

□結婚式の話(地×日)
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昼休み。

教室に遊びにきた天羽さんと話しをしていると、どういう流れか結婚式の話になっていた。

「ねぇ、日野ちゃん。結婚式やるならやっぱり6月だよねぇ」
「そうなの?」
「そうだよ〜。“ジューンブライド”って言うじゃない!」
「ジューンブライドか…」
「ウェディングドレスも着たいしさぁ…」

天羽さんは、自分のウェディングドレス姿を想像しているようで、上の空になっている。

「結婚式には日野ちゃんも招待するから、絶対来てよね!」
「わ、わかった…」

まだまだ先の話かもしれないのに、彼女の目付きは真剣だ。

「ねぇ、何の話?」

ふふっ、と笑顔で私たちの前に現れたのは、私と同じクラスの加地君だ。

「おっ、加地君良いところに来たじゃない。いま結婚式の話してたのよ」
「結婚式?誰か結婚するの?」
「そうじゃなくて!6月の花嫁、ジューンブライドの話」
「あぁ、なるほど」
「ねぇ、男としてはどうなの?6月に結婚式挙げるってことについて」

天羽さんが興味津津に聞き出す。

「別に構わないよ。奥さんになる人が喜んでくれるならね」
「なんか加地君っぽいわ…」
「女の子って、やっぱり憧れるものなの?」
「そりゃそうよ〜、一生に一度の晴れ舞台なんだから」
「へぇ…じゃあ日野さんも?」

突然話をふられ、慌てて返事をする。

「え!うん、まぁ…」
「日野さんはどんな結婚式にしたい?」
「どんな…?」

そう聞かれても、遠い未来の話のことだと思っていたから、考えたことはなかった。

「うーん…そうだなぁ…あんまり大袈裟にはやりたくないかも」
「わかるわかる!身内と仲の良い人だけでやりたいよね」

天羽さんが思い切り賛同してくれた。

「そうなんだ…それは今のところ難しいかもしれないな…」
「???」
「場所は、やっぱり教会とか?」
「それはあんまりこだわらないけど」
「日野さんには、ウェディングドレスが絶対似合うよ!!」
「そう、かな…」
「うん!」

笑顔でそう言われると、たとえ冗談でも嬉しくなってしまうものだ。
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