VitaminX

□覚悟しろよ(一×悠)
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今日は一君に連れられて、高校サッカーの全国大会を観に来ている私。

サッカーにはあまり詳しくないけど、真剣に試合観戦をしている一君を見ているだけで十分楽しめた。


「すっげーなー、あのFWなかなかやるじゃん!!」

「そうなの?」

「あぁ、見ろよあのドリブル!!完璧だぜ」


興奮気味の一君。

勉強にもこれくらい熱心になってほしかったわ…

卒業して早1年が経つが、まるで昨日のことのように思い出される、あの補習授業…。今となっては、良い思い出なのは確かだけど。


ピピー


ホイッスルの音が大きく響き渡る。どうやら試合が終わったようだ。

「やっぱ、予想通り東清高校が勝ったな」

「ふふっ、良かったね」

心から楽しんでいる一君が、可愛くてしょうがない。

「さてと、試合終わったら喉渇いたなぁ。なんか飲むか?」

「じゃあコーヒーがいいな」

「砂糖たっぷりのコーヒーな。買ってくるから下の昇降口で待ってろよ」

「うん、ありがとう」

年下なのに気配りができて優しい一君が、今は彼氏だなんて信じられないわ。

顔が緩みっ放しのまま、一君に言われたとおり、昇降口で待つために移動し始めた。



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