宝物小説(戴き物小説)3

□きっと大丈夫
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僕は日本を代表するサッカー選手。でももう一つの顔が僕にはある。
実はバイオリニストだ。
ある日コンサートが開かれた。曲は僕の恋人が大好きな曲、「チャイコフスキーバイオリン協奏曲の第一楽章」。
「バイオリンの最初の冒頭部分。俺が魔法にかけられて岬と初めて出会った時みたいで好きなんだ。」
「僕はお姫さまになって若林君と踊ってるみたいだよ。」
そんなことを話していたっけ。
コンサートも無事終わりたくさんの輝く瞳、鳴り止まない拍手、アンコール。たくさんのファンが僕を見ていた。
楽屋に戻るとコスモスの花束。コスモスが1番大好き。頼りなさそうに風に流されているけど、どんなに強風で倒されても自分で立ち上がるから。
「最高だったぜ!岬!明日からも頑張れるよ。」
「ねぇ、若林君みんな僕がサッカーしていても、バイオリン弾いていても、感動したって言ってくれるけど、どうしてかな?全く違うことなのに。」
「おんなじだよ。サッカーは夢を、バイオリンは生きる勇気をくれるんじゃないか?」
「そっか。」
笑顔で返事をすると僕はほっぺにキスした。
ねぇ?若林君は気づいているのかな?君は僕にとってサッカーやバイオリン以上に大切なことたくさんくれるんだよ?
「どうした岬?」
「ううん。これからずっとこのまま一緒にいようね!」
きっとこれからはもっともっとつらいこと、苦しいことたくさんある。でも大丈夫。変わらないで見守っていてくれる君がいるから。
これからはたくさんの人に優しい気持ちを届けたい。君がいつも僕にくれるように。



終わり。
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