novel
□今宵あなたと
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朝からケンカをした。
一方的に自分が悪い。ただイライラしていたから、些細なことが気になりそのまま当たってしまった。誤りたくてもタイミングがつかめず、そのまま夜を迎えてしまった。
今宵あなたと
「なぁ、俺のこと避けてないか?」
デュナミス孤児院の子供たちも寝静まり、夫婦二人きりの時間。ベッドに横になり天井を見上げ、一日中不自然だったルーティに話しかけた。
「なっ!!・・・そっ、そんなことないわよ。なんで、あたしが・・・。」
洗濯物を畳んでいたルーティの手がビクッと止まった。
スタンはその動きを見逃さなかった。
「そっか・・・。」
「そうよ。」
どうにか平常心を保とうと手は目の前の洗濯物を畳んでいるが、頭の中は混乱していた。
「・・・なぁ。」
ルーティの方を向き、話しかける。
「・・・。」
返答はない。
「ルーティ。」
「・・・。」
「お〜い。」
「あっ、ごめん!!」
頭の中を色々なことが巡り、黙ったまま自分の中へ入っていていてしまったルーティ。
「・・・で、なに?」
「もういいよ・・・。」
いじけた様にまた仰向けで、天井を見上げるスタン。