オリジナル

□サラマンダーの嫁
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俺の名前はジークフリード。
そんな俺は火屋と言う所謂何でも屋みたいな所に転職した。



依頼があれば魔物から人間から助けるし魔物から人間まで殺す。








「坊主、珈琲飲むか?」
「坊主じゃねぇ、ジークフリードだ」
…この赤髪赤スーツの左半身大火傷な顎髭三白眼はサラ。
一応火屋の創立者だ。
通称「坊主は砂糖5個だよな」
「人の説明邪魔すんなよ、おっさん」
「今日は仕事が来なくて暇だからな、ちょっと構ってやる」
頭をわしゃわしゃ撫でくり回すなっ!!












「あら、何をしてますの?」
「「ゲーム」」
事務所の小さいテレビで格闘ゲーム。
ちなみに今声をかけた赤髪ロン毛のフリフリヒラヒラな洋服の奴はローズ。
こいつも火屋の一人。
まあメンバーは三人だけしか居ないけど。



「手紙が来てましたわ」
ローズから差し出された封筒には烙印があった。
その烙印は聖「聖騎士団からか」
…おっさんうぜぇ。





ここでちょっとした小話。


聖騎士団っつうのは「人による人の為の騎士団」
「…おっさん、あんたエスパーか?」
「俺がエスパーだったら今ごろテレビに出てるぞ」
「だよな」
「ですわね」


…話がズレたな。
聖騎士団は魔物から人間を守る為の軍団だ。
勿論その反対も存在する。
魔物による魔王の為の軍。
それが魔王軍。
昔この二つは大規模で長い戦争をした。
何かを切欠に終戦したが。




今は魔物も人間も和解したが未だに互いを嫌う奴も少なくはない。


「で?中は何て?」
おっさんが促すとローズは手紙を封筒から出し読み上げる。
「サラマンダーの嫁に会わせて下さい…後は待ち合わせ場所と時間だけですわ」



「「「………」」」
俺はおっさんとローズの顔を交互に見る。
「………」
「………」
「おい」
「……………ラストオーダーは過ぎたと言う事にしないか?」
「うち(火屋)にんな物ねぇだろ」
「見なかった事にしません?」
「見ちまったよ」


依頼は絶対。
それがうちのモットー。
「……でもどっちだろうな?」
おっさんは首を傾げ手紙を捨てる。
捨てるなよ。
「大丈夫だ、待ち合わせ場所も時間も覚えた」
はいはい。


「あっちだったら危ないな…」
「そうですわねぇ…」



何をどっちだのあっちだの言ってるかって?


それはこう言う事だ。
サラマンダーの嫁はその名の通りサラマンダーの奥さん。
今のご時世人間と魔物が結婚するのも少なくは無い。


で?なぜ聖騎士団がサラマンダーの嫁に会いたいか。
それは元々サラマンダーの嫁が聖騎士団に居たがサラマンダーと結婚する為に勝手に抜け出したのが問題だ。


その嫁を聖騎士団に連れ戻したい奴らが居る。


そしてもう一つのパターン。
サラマンダーの嫁を抱くと炎を操る力が手に入る。
こんな作り話を信じてる奴らも居る。







「………後者はなあ…いかんだろ」
はあっと溜め息を吐きながらおっさんはローズの赤い髪を撫でる。
「ふふふ、サラ様ったら」
「…で?この依頼はどうする?」


 
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