オリジナル

□お前と君と
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可愛い可愛い御前崎。



小さくて白くて柔らかくて



まるで天使みたいだ。
俺はそんな可愛い御前崎唯我が大好きだった。







俺はでかくて無愛想で目つきが悪いから友達なんか居なかった。
家は極道だし。
でも御前崎はそんな俺に優しくしてくれた。




だから俺は調子に乗ったんだ。





告白したんだ。
そしたら







えっとな










俺…君ヶ為尽は……








世間で言う
その








…………。




告白したら、御前崎と、御前崎の友達が居て








ふ…婦女暴行…と言うか
いや俺…男だけど










…簡単に言うと
殴られて
蹴られて
………



お、犯されたんだよな…。




『誰がてめぇなんか好きになるかよ、気持ち悪ぃ…二度と近寄んな』
天使の笑顔でそう言われた。



とりあえず殴られて蹴られて


その後御前崎に犯されて
嗚呼でもそれは良かった。
御前崎と一つになれたって言うのは少し救われた気がする。



その後御前崎の友達の百花と絢ってのにも犯されたな。




…うん。




痛かった。




血が沢山出た。










何よりも嫌われてた事が一番痛かった。
「ただいま」
「お帰りなさ……」
出迎えてくれたのは尊さん。
うちの両親が事故で死んだ後に跡を継いで組長になった兄貴の代理(つまり組長代理)の綺麗な兄さん。


「大丈夫ですかっ!?尽君」
「大丈夫だ……」



「組長に「護兄貴には言わないでくれっ!!」



間違いなく殺される。



護兄貴は昔から負けて生き恥晒す位なら死ねと言うのがモットーだ。
まあ護兄貴は強いからそんなモットーなんだろうけど。


「…負けたの?」
「いや…負けたって言うか……」
「兎に角傷の手当てを…」


尊さんが俺の痣だらけの頬に触れた瞬間…




ぴしゃりと襖が開いた。






現れたのは護兄貴。
「あぁ゛ん…?なんつう汚ぇ面してんだ尽」
「こ、転んっ…」


転んだと言う前にぶん殴られた。



数センチ吹っ飛んだ。
「情けねぇ嘘吐くんじゃねぇ糞餓鬼」
「組長っ!!」
「部外者は黙ってろっ!!これは君ヶ為の家の躾だっ!!」


「まっ…負けた、訳じゃないっ……」
俺は負け犬みたいな捨て台詞を吐いて自分の部屋に帰った。



言える訳無いよな。
こんなごつい俺が女子みたいなのにボコボコにされて女みたく犯されたなんて。




生き恥晒し過ぎだよな。








殺されちゃうかも。




















気付いたら朝だった。
…俺寝たのか。
自分で掛けて無い筈の布団が掛けてある。
…尊さんかな?




後でお礼言わないとな。







とりあえず朝ご飯を用意して学校へ。
皆が寝ていてくれて助かる。








バスに乗ると皆が俺を見る。
…?



あ。
もしかして






鏡を鞄から取り出して醜い自分を見ると…


酷い。
青あざやら切り傷やらで酷い事になっていた。







………。





化け物みたい。
バスが着くまで下向いてるか。


 
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