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□戦国学園〜来ませ花婿様〜
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〜おいでませ戦国学園〜


私の名前は浅井愛人。



織田の姫君の一様をお嫁に貰いに来ました。






え?私は女じゃないかって?






そうですね、私には胸がありますけど下は立派な男ですから、嫁です。
もう一度言います、私が貰うのは嫁です。














そして転入した戦国学園。







血の匂いが鼻に浸く。





今までに此処で何千回何万回も戦があったんだろう。




「戦だああああっ!!」
「出陣だああっ!!!」
兵達の雄叫びが響く。



……あの旗印は武田と上杉。








大きな戦になりそうだ………避けて通ろう。














戦場(いくさば)から随分遠い獣道を歩く。









しかし広い学園。

 




迷ってしまいそうだ。
ざくざくと草木繁る獣道を歩いて行くとー…









その時





ふわりと香った


血でも砂ぼこりでも無い。







甘い花の香り。







香りの先には…………




「……」
顎髭。



三白眼。



高い身長。



学ランがとても似合わない男の子に会いました。



と言うか結構顔が怖い。
「お前…見ない顔だな」



もしかして…この人は武田か上杉の兵?
なら不味いかもしれない。


「上杉か?武田か?」
「えっ!?い…いえ、私は浅井愛人です、上杉でも武田でもありません」
「浅井…ああ、織田に婿に来た奴か」
「はい」


どうやらこの人は武田でも上杉でも…織田でも無いみたい。


 




「んで…織田の婿が何でこんな獣道歩いてんだ?迷子か?」
「じ…実は戦から離れて……」
「弱いのか?お前」


私は強いか弱いで言ったら弱い。



けれどそれ以前に
「嫌いでは無いんですが…苦手なんですよ、戦」
「お前…武将だろう?」
「恥ずかしい話…私は攻めの戦はしません、何かを守る為だけにしか戦なんて手段使いたくないでしょう?」
「へぇ…」



しげしげと私を見ているが…
何でしょう?ιι


「優しいんだな」




彼が微笑むと





甘い香りが私達を包んだ。







「…………………」
「おい?大丈夫か?…顔赤いぞ?」
「あ、は…はいιι」
「……そう言えばそろそろ行かないとまずいんじゃないか?」




 




「あっ!!!」


いえいえ。
忘れてた訳じゃ無いんですよ。




「悪いな、引き止めて…」
「あ…貴方のお名前は?」
「名前?ああ、俺の名前は…阿国」
「お…阿国さん」
「この獣道を真っ直ぐ行けばすぐ三年生の校舎だ」







「じゃあな」








………阿国さん……かぁ。

















素敵な人だったなぁ…。






 
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