オリジナル

□誘惑のすすめ!
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人間の男はリリスに恋をした。


様々な悪魔の子を産み落とした魔性の女リリス。






まさか彼女自身人間との子を産むとは思って居なかっただろうー…。













「斬乃、はい、あーん」
「ばばばっ!ば、ばっ馬鹿じゃないのっ!?あーんなんてしないわよ馬鹿乱!!」
箸で卵焼きを摘む男の名は艶宮乱(つやみや・みだれ)。
強面・三白眼のWパンチな男。
はっきり言って怖い顔。


女の方は神楽斬乃(かぐら・きりの)。
ピンク色の長髪に愛らしい顔…いささかツンデレ気味です。








「…斬乃の好きな甘い卵焼きだぞ?」
「う゛……」
斬乃はぱくりと卵焼きを食べる。
「美味い?」
こくんと黙って頷く。
「良かった」




しかし卵焼きを食べた斬乃の顔は真っ赤。
「斬乃の為に早く起きて作ったんだ」
笑っているんだろうが眉が八の字になって困っているみたいな乱。
「……………………」
「斬乃?」
「………………何よ?」
「顔…赤いぞ?」
「べっべべ…別に何でもないわよ!!」




リリスの子は魅惑の子。



そう。
乱はリリスの子。


しかしこんな外見であまつさえ男なので残念ながら魅了や誘惑や魅惑と言った言葉からは無縁の子だ。



リリスは小さい頃から乱に言いました。
『乱、雄は胃袋で掴むのよ』
『?分かった』
陰で父が不安そうです。
『リリスさん…男の子の乱に雄を掴ませてどうするんだい?』








そんな訳で料理の腕を磨いた乱。
今じゃ乱の手作り料理を食べた者は胃袋を掴まれてしまうとさ。




「斬乃?…もしかして人間には口に合わなかったか?」
乱が言った様に斬乃は人間。





ここは天使と人間と魔物が共に学ぶ学園。
天魔学園。




乱と斬乃は天魔学園の二年生。
「卵焼きなんだから大丈夫に決まってんでしょ!!馬鹿にしないでよ馬鹿乱!!」
「なら良かった…そうだ、デザートも作ったんだ!喰うよな?」
「………貰うわよ」












もぐもぐ。
「美味い?」
「美味しいわよ」
デザートは蒸しパン。
「お芋入ってるのね」
「おう……やっぱり顔赤い…よな?」
「……うるさいわよ」
もぐもぐもぐもぐ。







すると…
「あ…うさぎ」
すこぶるぶちゃいくな兎が寄って来た。
「蒸しパン喰うかな?」
乱は蒸しパンを千切り兎に渡す。
「あっ!?馬鹿止めなさ…」
ぶちゃいくな兎は蒸しパンをもりもり食べる。






ぶちゃいくな兎は乱の足にひっつく。
「お、懐いた」
「……」
すると腰をかくかく降り始める。
「…………斬乃、懐いた」
「馬鹿」
斬乃は兎を掴み上げ投げ捨てる。
「酷い事するなよっ!?」
「黙りなさいよ馬鹿乱」




そんな戯れをしていると鐘が鳴る。
「お…教室帰るか」
「馬鹿乱のせいでゆっくり出来なかったじゃない!!馬鹿馬鹿馬鹿」
「悪い」






二人して教室へ帰る途中ー…






「ん?」
「何してんのよ?乱」
「いや…斬乃、先教室行っててくれ」
「はあっ!?」


 
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