彷徨って、悪の夢の歌を聴き続けるよ。
□クロウディ デイズ
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「ヨミ」
貴方の指は冷たい。
判るのは心が貴方のモノだと云う事。
神は信じない。
ルカさんだけが全て。
「ルカさんどうした…の…、」
あ、ハクエイさんが来てたんだっけ。
ハクエイさんが来たらルカさんは俺に見せない顔をして楽しそうにしている。
少し寂しい。
いや凄く寂しい。
でも言わないよ。
迷惑になりたくないから。
「ヨミちゃん相変わらず可愛いね」
ハクエイさんは俺を撫でると飴玉をくれた。
袋から出してたから直接口に入れなきゃいけないから食べさせてもらう形になってしまった。
「ん、何か薬、入ってないですか?」
前に一度入れられた事があって一日だけ猫になった事があるから注意してた。
だけどハクエイさんは悪びれる事もなく「入れた」と言った。
「ルカさんは食べたの?」
訊いてみると食べてないと答えた。
ルカさんも昔はよく試験体にされてたらしい。
どうやら今回も一人だけみたい。
「じゃ、帰るね」
ハクエイさんはそう言うとルカさんの頭に軽く口付けると帰って行った。
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