楼
□梅雨 -the rainy season-
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「ホント嫌だなぁ」
綱吉は濡れた髪をタオルで拭きながら言う
「えぇ…と云うか自分で拭きますから貸して下さい」
濡れたのは綱吉ではなく骸の方であった
いつもはあまり人の家に上がらない骸が珍しく綱吉の家にいる
その理由は外で偶然会ったのだが不意に雨が降りだしたからだ
骸はタオルを受け取ると自分で拭き始めた
「あ…ゴメン!つい癖で拭いちゃってて」
申し訳なさそうにしている綱吉の言葉に骸は可笑しみを感じた
「拭かれてる分には気持ち良かったですよ」
クフフと笑いながら言うとタオルをベッドに置いて髪を整えた
「しかし君は世話焼きなんでしょうね」
そういいながら綱吉の腕を掴む
そして引き寄せるとそのまま太股に頭を乗せて寝転ぶ
「なっ…何やってんだよ!人が注意しないからって了承なく乗るなよ」
綱吉が言葉を荒げても骸は寝転んだままだった
それどころが太股に手を添え撫で始めた
「ヒァッ…なにっ…して…骸っ」
綱吉は急に撫でられ変な声が出てしまう
「いいですよね…ねぇ――――綱吉君?」
骸は妖しげな笑みで綱吉を見つめた
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