彷徨って、悪の夢の歌を聴き続けるよ。
□ザ ワールド
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「瑠樺さん…ごめんなさい」
項垂れた姿は正に仔猫ちゃん。
耳と尻尾は見事にペタリとしている。
撫でたくなる衝動を抑えて黄泉の顎を掴む。
「相変わらず懲りねぇな、黄泉ぃ…そんなに気持ち良かったか?」
クスリと笑うと鼻と鼻がぶつかる距離まで近付いて睨む。
多分新弥が責めるとか勘違いしてくんだろうなぁ。
「ひうっ…新弥に悪いよね」
ホント単純なヤツだな。
クッと鼻で笑うと黄泉はビクッとした。
「なぁ…答えろよ、気持ち良かった?」
もう一度訊くと今度はコクリと頷いた。
「ん、正直者にはご褒美な」
その言葉に尻尾が揺らいだ。
吹き出しそうだわ。
軽くキスをすると
冷蔵庫にあるご褒美を
持って来させる。
パタパタと黄泉は走って戻って来ると
耳とかは既にピクピクしている。
「開けな」
そう云うと黄泉は丁寧に箱を開ける。
そしてニコニコしながら
ケーキを出して食べ始めた。
さっきの艶めいた顔とは
真逆の無邪気な顔を見ると
何だか面白くなった。
オワリ。
→オマケ。