・・・の憂鬱

□最後に1つだけ
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「何だよ」

「お別れ・・・ですね」

「そうだな、今までみたいに毎日は会えなくなるな。でも、どこかで会うだろ」

しかし古泉は首を横に振り、更に強く俺の手を握り締めた。

「僕は今日までなんです。明日からは違う人が涼宮ハルヒを監視にあたります。」

「どうゆう事だ?」

「つまり、僕はここから消えるという事です。いつ帰ってくるかは分かりません。1年後かもしれませんし、下手をしたら一生・・・」

「それ以上言うんじゃない」

思わず抱き締めてしまった。
古泉の体温を感じて初めて自分の行為に気が付いたが、もう手遅れだな。
古泉は俺のワイシャツを涙で濡らしている。

「・・・最後に一つだけ」

そう言うと古泉は俺から身を剥がした。

「伝えたい事があります」

俺は手を握られたまま古泉を見ていた。
見つめ合うも同然な態勢だが、この状況を違和感無く受け入れている自分に驚いている。

「な、何だ?」

「キョン君・・・僕は、あなたが好きでした」

「・・・・・」

今何て言った、好きでしただって?

「すいません変な事言ってしまって。気持ち悪がってかまいません、もう会わないですからね」

「でした、かよ。過去形なんだな」

「・・・え?」

「だから、好きでしたって事は、今は好きじゃないって事だろ?」

何言ってんだ俺は。

「いえ、その・・・今も好きです」

「そうか」

無意識にホッとする自分が居た。
つまり・・・アレだな。
俺は知らないうちに古泉の事が・・・ああ、言いたくない。

「最後ですから、僕の我儘も聞いてもらえますか?」




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