・・・の憂鬱

□チョコの代わりに
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「そうですね。しかし海外では男性が気のある男性にプレゼントを送るという習慣もあるそうですよ」

ほら、いわんこっちゃない。ハルヒの目が輝いてしまっただろうが。

「へえ、そう。古泉君は誰かにあげないの?男で」

「いえ、残念ながら何も。すいません」

案外速答だったのがムカついた。少しは考えてくれたって良かったんじゃないか?
…あ、いや、こっちの話だ。

「キョン、あんたは?」

「…あ、いや、特にない」

「皆、普通ね。つまんない」

ハルヒはつまらなそうに…いや、若干怒っているのか顔を歪めるとポットやら急須やらがあるコーナーに行って激安スーパーと書かれたビニル袋を漁った。
確かあの中身はお菓子だったな。さっき朝比奈さんにお菓子を貰っておきながら強欲な奴だ。

「見つけた!」

さっきの表情はどこへやら、また何か企んでいるような妙な笑顔で叫んだ。ハルヒの手に握られているものは…

「キョン、これあげるから古泉君とゲームやりなさい」

…ゲームだ?ハルヒ、お前それが何か分かって言っているのか?
それ、ポッキーだぞ。

「ポッキーゲームですか。僕やった事は無いですね」

なんとも悠長に…古泉、今お前が置かれている状況分かってるか?お前とポッキーゲームだぞ、ポッキーゲーム!
ハルヒはお馴染みの赤いパッケージを開封してポッキーを1本取り出した。

「はい、キョン」


言葉も出ない。寄りによって古泉とだなんて…いや、朝比奈さんや長門でも同じだったか。
しぶしぶポッキーを受け取り、それを見つめる。ちらりと古泉を見ると目が合った。やれやれ。

「…本気か?ハルヒ」

「あったりまえじゃない!さ、始めて」

携帯電話を構えるハルヒ。
動画撮ってどうする気だ。やめてくれ。

「……」

「キョン、早くしなさい」

「……ん」

口にポッキーをくわえ、正面の古泉に身を乗り出した。



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