おお振り
□ずっと
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ずっと、田島を見てきた。
出会った時から気にはなってたんだ。気付いた時には、もう好きだった。
今思えば、一目惚れだったんじゃないかな。
部活では羨ましい位格好良くて、悔しいけど憧れの存在だった。
部活以外でも田島とは色々あった。
あの田島と喧嘩だってした位だしな。
その時は辛かったなぁなんて、今になっちまえばただの良い思い出だよな。
山積みの教科書、ノート、参考書。
スズランテープでまとめて捨てるだけにする。
だけど、地学の教科書だけは捨てない。
高校の思い出に1冊だけ残しても罰はあたらないだろ?
ずっと、田島が好きだった。
傍に居るだけで幸せだった。
でも、田島には言わない。
今の関係を崩したくないら・・・
あいつの我儘だけ聞ければ良いから・・・
田島の近くで
「好きなんだ」
と心の中で叫ぶだけで十分。
これからもずっと好きなんだろうな。
進学しても会おうな。と言い掛けてやめた。曖昧な返事が返ってきたら辛いから。
だから
「・・・これからも、宜しくな」
そう告げた。田島は
「おう、今までよりも宜しく!」
と答えてくれた。
田島、このことは黙ってろ?
答えを聞いた後にお前を抱き締めた事。
それから
俺が泣いた事。
【Finalizzare】