短・中編
□秋晴れシンドローム
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秋晴れシンドローム
「スゲェいい天気〜!」
一面の青空の下の道を歩く。木々の並び立つ道…そして秋のツンと晴れ渡った空に、早朝のひんやりした空気が気持ちいい。
俺の心まで冴え冴えとしていく。
「なっ、ガイ!」
「ん…そうだな」
隣りに、優しく頷きながら微笑むガイ。
「今日はゆっくりして遊びにでもいこうぜ〜」
「はは、なんだよルーク。俺といるのは暇だってのか?」
苦笑しながら答えるガイに、背中を強く叩かれる。
「いって!」
「…ほら、散歩終了!戻るぞ」
踵を返すガイの足取りは早い。
「あっ、ちょ!まっ、待てよ!」
「…行くぞ」
慌ててついていく。
ふと…手が、差し延べられた。
「へ…?」
「…どっか遊び行くんだろ?ま、たまには休みあってもいいだろ。ジェイドに許可…とってくるから、さ」
はにかみながら、どこまでも俺に甘いガイの手を、ゆっくりと握り締めた。
靄を振り払ってくれる、ツンとした空気と、秋の突き抜ける青さに、気分は晴れていく。
秋の青さに、全て研ぎ澄まされて。
こんな日が続けばいいと、心の中で繰り返す。
そんな、秋晴れシンドローム。
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