短・中編

□R)続・尻尾の先まで
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ガイの体に異変が起きた、あれから一週間…


試験管を振り、研究を続けるジェイドのすぐ側…
…そこに、犬耳と尻尾を生やしてコーヒーをすするガイがいた。


「…なぁ旦那…お前2、3日で治るって言ったよな…?」
「さぁ…?最近は歳のせいか、物覚えが悪くて…」

相変わらず、歳をネタに出す男を些か憎らしいとは思いつつ、彼に対し苦言を吐くのは後が怖くて気が引けた。

「大体…何でこうなったのかも良く分からないしさぁ…」

その言葉に、眼鏡の奥のジェイドの瞳が僅かに動揺する。
無論、この男が犯人とは知らないガイは、全くそれには気付かない。

「あぁ〜…変なもんも食って無いし…」
「ルークに悪戯でもされたんじゃないですかぁ…?」
「俺が何だってぇ〜?」

如何にも白々しい口調で呟くジェイドの後ろに、タイミングよくルークが現れる。

「おやルーク」
「ガイ…何だよ、こうなってからお前、ジェイドの側につきっきりじゃん」

ルーク…お前顔に『いい加減構え』って書いてあるぞ。
と心の中で思うが、口には出さない。ジェイドが代弁するのは目に見えているから…

「おやおや、ルークはガイに構って貰えなくて寂しいみたいですねぇ」
「誰が…!!」

予想通りだ。何もかも。
全ては、ルークが単純なせい。質問も返しも…容易に想像できる。

しかし…単純でないジェイドは次の瞬間、とんでもないことを口走ったのだ。

「じゃ…二人でガイを構いますか。ルークも寂しくないでしょう?」
「へっ…?」

まさに、想定の範囲外…

「……へぇ〜…面白いじゃん♪」
「えっ…え…?!」

戸惑う俺に、のしかかってくる男達…


あ…悪魔が二人…!!










「あっ、アホ…やめろ…っンなトコ…っ」
「ふうん、尻尾って感じるモンなんだなぁ…フサフサして気持ちいいし〜」

シュッシュッと擦られる度、尻尾がルークの手の中でビクビクと震える。

「ふふ、そうみたいですねぇ…」

ルークの言葉に頷いたジェイドは、もうそれは知っているとばかりに、念入りに耳をいじる。

軽く噛み、舐め、舌を差し込むと、堪えきれずガイが声を漏らす。

「ひぁっ、…や…やめろバカ…っ」
「おや、止めてと言う割には随分といい声を出すんですね?……ガイ」

名前を呼ぶ瞬間に、耳元で低く囁くと、ガイの体がぶるりと震えた。

「また…ジェイドばっかズルイだろ…!」
二人の世界から取り残されたと感じたルークが、いきなり胸の飾りに噛みついてきた。

「っあ、痛…!」
力任せに吸われ、舌で押し潰される。何とか引き剥がそうと暴れるが、2人がかりで襲われているのだからかなうはずもない。

…痛い…!
生理的な涙が頬を伝う。
それに気付いたルークがようやく口を離し、そしてその涙を舐めとった。

「…ガイが悪いんだからな…ジェイドとばっか…たまには俺もちゃんと見ろよ…?」

そう言って、にっと笑った顔が近付いたかと思うと、そのまま深く口付けられる。

「んっ…んぅ、ふ…」

歯列をなぞり、舌を絡め、吸いあげる…
こいつ、いつの間にこんなキス覚えたんだ…っ…
何と無く、息子のマスターベーションを見てしまった父親の気分である。
こんなに大人になって…

「って、ぁ?!」

ルークのキスに翻弄されていた、その次の瞬間。
下肢を襲った快感にのけぞる。
…ジェイド…!!

「ガイ、イヤらしいですねぇ…キスだけで勃ってきてますよ…」
「う…るさ…っ、あぁ…っ」

キスだけじゃないだろ…
首筋から腹にかけてを、口で入念に愛撫してくるルークと、尻尾と自身を右手で掴み、同時に擦りあげてくるジェイド…

「ふぁっ…ん、あぁ…」

や、ばい…
このままじゃ…っ

「あっあ…やめっ…も、っ…」

イく…っ…

「あ…っ…離し、んっ…」

ジェイドの指が先端を扱き、ルークの舌が胸を優しく吸いあげる。

「く、あぁっ…」




…快感があまりにも強すぎて…耐えきれなかった。

「やー、沢山出しましたね〜ガイ〜」
「…やっぱお前犬っぽいよな〜…可愛い♪」
「…はぁ…黙れ…ア、ホ共が…」

大体この状況の(耳と尻尾を除く)どこを見て犬っぽい……

「っジェイドぉ…!!!」
「はい、何ですか?」

白々しい態度を取るこの男は、イったばかりで力の入らない体を反転させ、腰を高く掲げさせていた。

「ば…っお前何して…っ…!」
「ふふっ、よく見えますね〜♪」
「ジェイドの変態〜♪」

っくそ…!
顔が羞恥で染まるのが分かる。

…恥ずかしい…っ…

「おや…随分と可愛らしいですね…」
「完璧…ご奉仕してもらわないとな…」
「…う、ぅ…」

全部見られてる…
…恥ずかしいのに…

「は、ぅ…っ…」

体が…熱い…

「ガイ…興奮してんのか?」

問いかけられるのと同時に、尻尾をさらりと撫でられる。

「あぁ…っ、く…」

体がうずく…何か変だ…っ

「発情期ですかねぇ…」

発情期…ってありえないだろ…!!
反論したいのに、耳元のジェイドの声が…
妙に嬉しそうで怖い。

「調べてみましょうか」
「ぅあっ…?」

途端、突き入れられた指に体が跳ねる。

「あっ…やめ、んんっ」

体の中を探る指に、一々体が反応する。
…ヤバい…のまれてしまう…
何とか堪えようと、腕をかんで声を抑える。
しかし…

「ガ〜イ、ほら、俺にもちゃんと奉仕してよ?」
「んぐ…っ」

頭を引き上げられ、口に押し込まれた異物…

「んぅ…っ!!」
「ほら、舐めて…?」

あほっ、何いれてんだこのバカ…っ…!!

「んん…ふ、ぅ…っ…」

何とか出そうと奮闘するが、途端、ジェイドの指がある一点をかすめた。
そこは…っ…!

「確か…ここでしたよね、貴方のイイ所は…」
「ひ、あぁ、あっ…や…」

指が増やされ、掻き乱される。
自分がおかれている状況に、眩暈がした。

「んぁ…ふ、ぅ…っ」
「ガ〜イ…こぼしてんなって…」

ジェイドから与えられる快感に、口からこぼしてしまったルーク自身が眼前に突きつけられる。

もう、どうにでもなれ…!

まともに働かなくなっていた思考の片隅で、そんな悪態が浮かんだ。
片手を伸ばし、ルーク自身を口元に引き寄せ、口に含む。

「ん、んぅ…っ」

独特の臭いと味に、こみあげる嘔吐感。
与えられる快感との対比に、体が震えた。

「んっ、んぅあ…っ…」

腰が揺れる。
ウズく腰は、指以上のものを欲しがっていた。

「イヤらしいですね…ガイ…足りないんですか…?」

責められる言葉も、

「んっ、ガイ…中々上手いなお前…」

ルークをくわえて、しゃぶっている口も、

「ちゅ…ぷ、ちゅ…」

ソレを舐める淫猥な水音も…

…全てが気持ちイイ

「あっ、んぅ…っ!」
「く…っ…」

突き込まれたジェイド自身を締め付ける。
普段は崩れないその表情と声が揺れたことに、密かな優越感を覚える。

「は…ぁ…ガイっ…」

目の前のルークに、いよいよ余裕がなくなってくる。
頭を掴まれ、ガクガクと揺さぶられ、口の奥まで突き挿れられる。

「あっ、く…」
「っん、んん…ぅっ」

苦しさに涙がこぼれた。
早く解放してほしくて、必死に口を使って攻め立てる。

「く…っガイ…!!」
「ん、ぐぅ…っ…」

口に広がる苦味…
ルークが吐精したのだ。
飲み切れなかった精液が口の端を伝う。

「…ふぅ…ガイ。サンキュな♪」
「あっあ…んぅ、ジェ…ぅっ…」

ルークが達したのを見計らったかのように、ジェイドの突き上げが早まる。
体が熱い…

「ガイ…気持ちいいですか…?」
「はぁ、ん…ジェイド…もっと…っ」

自分が何を口走っているのか分からなかった。
もっと、熱が欲しい。
もっと…奥まで…

「仕方ない人ですね…もっと奥まで挿れてさしあげますよ…」
「…っあ、ひぁあ…」

クスリと笑って膝裏を抱えられ、ジェイドの膝の上に乗せられる。
自分の重さで、ジェイド自身がより奥へ進んでくる。

「じゃあガイ…今度は俺が舐めてやるよ」
「あ、ルー…っふ…」


後ろと前を同時に責められる。
グチュグチュという、結合音にすら耳が刺激され…舐められる感触に体が震える。
全身が性感帯になったかのような錯覚に、腰の揺れが大きくなっていくのがわかった。

「あっあ…ジェイ、ル…クっ…」

もう、羞恥なんて言葉は消えていた。
早く…早く登りつめたい…

「あぁ、あ…も…イく…っ」

ジェイドからの突き上げが激しくなる。
どこからがジェイドでどこからが自分なのか…分からなくなるほどに熱い。
ルークが口をすぼめ、自身を強く吸いあげる。
右手で握った尻尾を、毛の流れに逆らって擦り上げられた瞬間、背筋から頭までを快感が突け抜た。

「…っ、ぁ…あぁっ…ッ」

同時にジェイド自身が最奥まで届き、ようやく自身を解放した。


















「信じられない…あんなに…」
「何がだよ〜誘ったのはお前だろ…?」

ぐったりと…何故か3人で横たわるベッド。

「そうですよ…貴方があんなに淫乱だったなんて…私の体力だけでは間に合わな…」
「うあ〜、もうっ!!!」

…あの後、ジェイドとルークに入れ替わり何回も責められ、何回もイかされたのだ…

…しかも俺が…
「ガイ可愛かったな〜、犬耳垂れさせて見つめられて、もっとシたい…なんて言われちゃ断れるわけないじゃん」
「言わないでくれ…」
何で……
あんなに……

「そうですねぇ…コーヒーに催淫剤を入れておいて正解でしたね…」

……………

「はぁっ…?」
「しまった、うっかり口走ってしまいました」

今……


「だからガイあんなだったのか〜…」
「何とか治して差し上げようと薬を調合していたら…調合を間違えたようで…」
「だからってそれを何で…!!」

飲ませる必要なんかないだろうッ!!
しかし、つめかかる俺に、ジェイドは白々と言ったのだ。

「貴方が犬になったのも薬の調合失敗が原因ですからね…うまく中和されるかと思いまして」

…ちょっと待て。

「〜〜っお前!!!」
「ふふふ…」
「流石ジェイド…敵には回したくないな…」

……怒る気力も失せた。
くそ…

「これでおかしな事になったら…どうにかしてくれよ…」


もう駄目だ…
こいつらには敵わない…

でも…

「今度は一人ずつにしてくれ…このままじゃいずれ壊れる」


快感には弱かった。
そんな自分が情けない…


「…ガイ…!!」

がばりと抱きつかれる。
がさごそとズボンの中には潜り込んでくるルークの手…

「おやおや…ルークは若いですねぇ…」
「わぁあ…やめろバカ―ッ!!!」














一週間後…薬の副作用により、今度は猫耳と尻尾を生やしたガイがいた。





終わってしまえ。
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