Don't lose me.

□7粒
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視界が悪くなってきた
慣れない薄暗さに周りが少し見えない

暗くなり始めてから…正確にはあの子達が去ってから私は立ち尽くしていた



これだけたくさんの事が起きると不思議過ぎて私がおかしくなりそうだ
大体ここの人達はキャラが濃すぎ!

これじゃあ私が普通じゃないみたいじゃない



「ちょっと見えないなー…」


本当、いつの間に暗くなったんだろう

目を細めて改めて周りを確かめる
後ろを振り返っても扉紛いな鏡もある
とりあえずまだ学校にいるってことはわかった

後はどうするかなんだけどな…
今頃お母さんだって心配してそうだし














ぐぎゅるるる




「……お腹空いたしな」


この場にそぐわない音が響き、呆れたように笑うしかなかった


今、味方は自分だけ
探すのは外へ逃げる出口
出口の手がかりは…ないこともない

ただ




「心配なんだよね…会っても教えてくれるかな、骸さん」


さっき突き飛ばしちゃったから怒ってるよね
謝って教えて下さいって頼めば…って無理か







「どうしよう…」


「どうしました?アリス」


「それが出口がな……え?」



今後ろから…?



「アリス?」



恐る恐る振り返った私は思わず叫びそうになった
気配消して(私が気付かなかった?)いつの間にか私の後ろには骸さんがいた

しかも周りが暗いから余計恐い



「む、骸さん!?えっと、あの…っ」


「落ち着いて下さい、アリス。どうかしたのですか?」


「…えっと、さっきは突き飛ばしてしまってごめんなさい!」


まずは謝らなくてはと勢いよく頭を下げた私に骸さんは黙った


「……。」


骸さん黙っちゃってるよー!頭下げてるからわかんないけどきっと怒ってるんだ…!










「…アリスがここを暗くしたのですか?」


この人が話を聞くなんてまずないだろう

あまりにも唐突で、尚且つわからなさすぎる質問に思わず顔を上げてしまい、聞き返してしまった


「はい?」


すっかり違う話題になってしまったこの状況にのまれてしまう私は流されやすいタイプなのか

…とりあえず骸さん怒ってなさそうだからこのさえ流されても大丈夫かな



「では、質問を変えましょう。アリスの願い事はなんですか?」


「願い事ですか?うーん…いや、今はここから出たいのですけど…」


「それ以外です。」


「えぇっ!?それなら恭弥を治してあげたい!途中で会ったんだけど凄い怪我してて…!」


出口もだけど恭弥のも気になる
それにさっきの子達だって…

でも骸さんは首を横に振った


「アリス自身の願いにして下さい…でもそうですね、治すのは違反ですけど探すのならいいですよ」

あれ?でも何故だか骸さんの思惑通りになってしまったような気がするのは気のせいだろうか…?

それに今の“違反”ってなんだろう?

しかし疑問をぶつける前に骸さんはまた奇妙な発言をした











「では、アリス
これからゲームの説明しますよ」





出口や恭弥を探す前に今目の前にある問題の方が難しそうです


END

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