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□私の世界はそうやって出来た
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いつもと同じ格好
いつもと同じ天気
いつもと同じ部屋
そしていつもと同じ場所にいるあの人

ただ、違うのは…













次の会社の資料をいくつか抱え込んでいつものように坊ちゃんの部屋にノックする
声がドア越しから聞こえたので挨拶をしながら入ると、目に入ったのは机の上に置いてある大量の資料にやや窶れ気味の坊ちゃんの表情

ただ、一番気になったのがいつも右目につけている筈の眼帯がなかった


「あれ、坊ちゃん眼帯はどうなされたんです?」


「あぁ…使用人達にな」


紙に目を落としながら、ペンを走らせて一言いった
詳しい事は言わなかったが大体のことは察した

あの使用人達のすることだ…きっとまた坊ちゃんの役に立とうと張り切ったのはいいが失敗した、というオチだろう
一体どうしたら坊ちゃんまで巻き込まれるようなことになったのやら…


「それはまた大変でしたね」


「いつものことだ。それより資料は?」


カタ、とペンを置いて、伏せていた瞳が私を映す

丁度眼帯をしていた右目は前髪で隠れていた
しかし、見慣れている深くて青い左目は揺らぐことなく、いつも強い意志を感じる


「此方の方にあります」


抱えている資料の束の中から数枚の抜き取り、坊ちゃんに渡す
その際に見えないかと盗み見ても坊ちゃんの前髪で上手く右目が隠れていてやっぱり見えなかった


「…気になるのか?」


既にお見通しなのか資料を見ながらそう告げた坊ちゃんは本当に人をよくみているな、とつくづく思った


「えぇ、まぁ、多少は…」


あの悪魔と契約をした目だ、正直のところ気になる
ただ、坊ちゃんの気にさわる事だったら悪いので敢えてこの事には触れなかった


「これだ」


前髪で隠れて見えなかった右目が晒される
そこにあったのは左目の様な深い青の瞳ではなく、私の嫌なモノを混ぜた紫の瞳

まるで、悪魔の血を混ぜたかの様な紫の、瞳

更に紫の瞳にはしっかりと契約が書かれており、それがより一層アイツに対する怒りに近い何かの感情が生じる



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