小説

□そんなキミが
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「なぁ、俺って汗臭いかな」
「へ?」

はーすげェ筋肉・・・とウットリしながらTシャツに張り付く肉体を拝んでいた俺は、筋肉まry上条を見上げた。

「この間彼女に汗臭いって言われてさ」
「ああ」

なんだ、そんな事か。俺は深刻そうに悩む上条に気の向けた返事を返した。
するとムッとした雰囲気が伝わってきたので、怒らせたくない俺はすぐさま弁解に入った。

「い、いや、いいじゃん、男らしくってさ」
「・・・でも臭いんだろ・・・?」
「えーでも俺はいいと思うけどなぁ」

俺は嫌われたくないので必死に言った。
実際、上条の汗の匂いは好きだった・・・興奮できてしまうほど。
元々筋肉質だし、そうなると必然的に汗を掻く量は常人よりは多い筈だ。そんなの分かりきっていることなのにユリちゃんってば馬鹿なんだなぁ。

「まあ気にすんなよ、今までうまくやってこれたんだし、別にそれで別れるなんかは、」
「フられたんだ」
「・・・へ?」

本日二回目の「へ?」に自分でも間抜けな返事だなぁと感じていた。
いや、そんなことより上条君、キミ今なんて言った?

「どうしよう・・・俺、これから誰とも付き合えねぇよぉ・・・」
「・・・」

フられた・・・だと?ウソ、そんなマジで?え、本当にユリちゃん?こんな筋肉まみれで色黒で顔つきもしっかりしているこんなに可愛い上条くんをフっちゃったの?何で?ただ汗臭いという理由だけで?え、そんな、ウソでしょ?

信じられなくてしばらく黙っていた俺に上条はハッとして、俺に気を遣わせまいと笑顔を取り繕った。

「ユリ・・・元々好き、な奴がいたみたいでさ」
「・・・」
「・・・まぁ、気にしてない、けど」

今にも泣きそうな上条は下を向き、鼻を啜らせた。・・・なんて可愛いの上条君。

「ごめんな、気遣わせて」
「いや、上条」
「ユリ・・・お前がタイプなんだって」
「んえっ!?」

いきなりの会話の大回転に目玉飛び出ると錯覚するくらい目を大きく開いた。当然だ、ビックリするに決まってる。
ユリちゃんが俺を!?

「お前優しいじゃん、細いし運動神経いいし顔綺麗だし、」
「いやいやいやいや何言ってんの上条、」
「・・・もう、お前になりたい」
「・・・ッッ!!!」

かわ・・・ッ!!!!
とうとう遂に瞳から涙を流して小さく泣き出した上条に俺は完全にノックアウトされてしまった。
チンチンはもう完全にバキバキ濃厚精液を吐き出さんと上を向いている。
た、たまらん・・・っ!!

「か、上条、そんな後ろ向きにならなくても」
「・・・ッうん・・・」
「俺、上条大好きだよ、汗の匂いもたまんないし、」
「いいよ、そんな、気・・・ッ遣わなくても」
「筋肉だってやばいじゃん、爆乳だしシャツ破れそうだし」
「・・・ッ・・・?」
「その短い髪なんか最高だよっ一日中匂い嗅いでたいくらい!」
「おい・・・?」
「もう上条の泣き顔見ただけで射精しちゃいそうっ!!」
「なに言ってんのお前・・・?」
「ハッ!」

しまった・・・!
上条を思うばかり、溢れる感情が垂れ流しになってしまった!ど、どうしよう、だって魅惑の体なんだ!今の暑い季節、服の上から乳首が透けていて凝視するばかりに目が痛くなるし、体育の時間は動いて乱れた吐息を聞く為に先生の声に反応出来ず怒られるし、本人が気にしている汗は実は俺のお気に入りだから満足するまで目一杯嗅いだら鼻は麻痺するしっ!もう大好きすぎて脳味噌破裂するのにっっ!!ああ、不審そうなその顔もやばいよ、射精するーっ!・・・ハッ!!

「お前・・・なに、俺が好きなの・・・?」
「・・・っ!」

ば、ばれた・・・!!
上条はとても不審そうな顔をして覗いてくる。
もうすっかり泣きは治まったようでなにより安心・・・とはいかないですね、どうしようこの状況。

「いやーそのあれだよ、そのー・・・」
「・・・なに・・・?」
「うん、好きなんだよね実は」
「・・・認めんの早いな、おい」
「だってこの気持ちにウソはつけないし」
「・・・気持ち悪い」
「酷い!俺真面目なんだよっ!」
「・・・帰る」
「え、ま、待って!」

実は今放課後の教室だったのだが、上条は席を立って教室から出ようとしていた。
うそ、そんな・・・っ!!
どうしよう、待ってやだ、行かないで、だ、大好きなんだよ上条!

「待って!」
「うるせえっ!」
「あ、上条!」
「なんだよっ!」
「か、鞄・・・置いて帰るの・・・?」



「・・・」
「・・・」

まさかの展開。
まさか俺の気持ちがばれてしまうなんて(八割方自分がばらしたのだけど)、ああどうしよう、でもようやく伝えることができた!上条俺は嬉しいよ!上条キミもそうだろ!

「・・・なんで俺がお前と付き合わないといけねえの」

・・・すんまへん、ご機嫌斜めですよね分かります。

「んー・・・ユリちゃんと終わったみたいだし?」
「・・・うるさい」
「ごめんね、でも俺本当に嬉しかったんだ」
「・・・」
「高校入って一目惚れしてからずっと抱きたいと思ってて」
「入学してから!?しかも俺が女側!??」
「へへ、恥ずかしいよね、初々しいよね俺ら」
「うるさい本当に」
「できたら上条のアナルなんかも舐めさせていただきたいなぁー・・・なんちゃって!アハハ!」
「本当やめて吐き気する」
「ごめんごめんっなんか俺も開き直っちゃったっ」

でも実際、今後誰とも付き合えないなんて嘆いていたんだし、それなら俺でもいいじゃないか。なのに何がイヤなの上条。
まあ初めはアナル抵抗あるだろうから徐々にと考えているんだけど。

上条は複雑そうな顔をして、しかし嫌悪感丸出しの表情でこちらを覗いていた。

「俺のこと嫌い?」
「嫌いじゃねえけど・・・」
「じゃあいいじゃん、付き会お」
「いやあのなぁ!俺ら男同士な訳よ!」
「知ってるよそんなの。チンチン付いてるんだし」
「だったら分かれよ!無理だろっ!」
「何で?世の中には同性愛者なんか一杯いるし実際付き合っている人たちもいるのに」
「俺は違うんだよ!」
「んー違うって言ってもなぁー絶対気持ち良いのにー」
「そんなの知らんッ!」
「そう知らないの!」
「っ!?」
「知らないから俺をフるんだよ!一回ヤッてみたら違うと思うよっ!」
「な、にを・・・!」
「俺自信ある!上条をイかせる自信あるよっ!絶対失神する!」

「お、前・・・ッ」
「もうオナニーだけじゃ満足できなくなるねっ直に自分から腰振り出すからさ!」
「お、おい・・・」
「ん!?」
「お前・・・っキモい・・・」




「・・・」
「・・・」

帰り道、トボトボと並んで二人帰っていた。
あの後会話は途切れて何となく気まずくなったので、もう帰ろうかと提案して今の帰り道
に至る。
一向に喋る気配を見せない上条をチラチラと見ながら、夕日に染まる肉体と首元を滴る汗
と男前の横顔を眺めていた。
ああ麗しい・・・

「上条・・・怒ってる・・・?」
「黙れ」
「は、はい・・・」

・・・怒ってる・・・最悪だぁ・・・
普段見ないような険しい横顔に内心ドキドキする。
うう・・・上条・・・

「ねぇ・・・俺の事・・・嫌いになった・・・?」
「・・・」
「・・・っか、上条ぉ」

答えない。これは肯定を意味するのか。
嫌われた・・・友達としても・・・
もう前を向いている事が出来なくなって、ガクンの首をうなだらせた。

もう、終わりだ・・・
そう思ってフラフラになりながら思考を巡らせていた。
すると、

「・・・お前、変じゃんか」
「・・・へ?」
「・・・」

変?・・・変とは何ぞや。
前を向いて歩く上条は眉間にシワを寄せていた。

「前から変だと思ってたんだよ、なんか結構俺の事見てるし」
「あ、気付いてたの?」
「たまに俺の体操服お前が持ってるときあるし」
「へへ・・・に、匂いが染み付いてるから」
「女子に告白されてもずっと俺に付いてくるし」
「だって興味ないんだもん」
「・・・たまに、エロい目・・・してるし」
「あー、それはごめんね、まさかそんなに出てたとは」
「・・・困るんだよ、」
「うん、ゴメンね、俺が悪かっ」
「・・・っなんで謝るんだよ!」
「へ!?」

立ち止まっていきなり怒鳴った上条を見てビクンと肩が跳ね上がった。
な、何に怒ってるんだ!?

「お前が!そうやって謝るから俺はどうする事も出来ないんだよ!」
「な、え!?」
「ずっと変な事言ってくれてたら俺は何かしら行動に移せるのに!お前綺麗でモテるし、女子に囲まれてても涼しい顔して相手してるからなんか変にモヤモヤするし!誰に対しても態度変わらないからなんだ俺からかわれてるのかなってなんか悲しくなるし!ユリと付き合うことになって報告しても反応薄いし!でも俺のこと変な目で見てくるから突っ込むと謝るだろお前!もうどうしていいか分かんねえんだよ!」
「・・・か、上条・・・」
「なんだよ!」
「俺の事・・・気にしてくれてたの・・・?」
「違う!」

しばらく放心状態。
上条の言った台詞を頭の中で繰り返していた。
つまりどういうことだ?俺が謝るから上条は身動きが取れなくて、でも俺の行動を気にしてくれてて、女の子といたらモヤモヤするって・・・
・・・ああなんだ、上条ってば不器用なんだから。

「上条ー、俺ら両想いなんじゃーんっ!」
「は!?何でそうなるんだよ!?イヤだよ俺男なんか!」
「よかったー嫌われてなくって!ちゃんと幸せにするからね!」
「な、なんでそうなるんだよ!やだって言ってんだろ聞けよ!」
「よし!そうと決まれば俺の家行こっか!」
「や、ちょ、お前、離せ、やめ、わ、な、お、犯されるーー!!!」

もう上条ってば可愛いんだから!
とりあえず家でやりたかった事一杯シようっ!
今夜は寝かさないよ上条!
うんと幸せにするからね!

「上条はMだよねー」
「うるさい離せ!」

二人の門出に乾杯っ!!








駄文すんまへん・・・久しぶりに更新できたのがこんな作品・・・しかし主人公の名前決まってないけどどうしよう。こいつは間違いなく変態だと思われます。
続編希望という声があったら18小説にでもエロ書こうかなと思います。
えー・・・コメントお待ちしてます!
ありがとうございました!
 

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