地下 図書室

□猫の呪い
1ページ/1ページ


王様は手首にナイフを持ってく。私はその様子を黙って見つめていた。

「にゃぁ…」

何処から現れたのか、一匹の黒猫が王様の手からナイフをかすめとっていく。王様は…

「ごめんな…俺が死ねば、お前も死ぬことを忘れていた……」

と、黒猫の頭を優しく撫でた。

「にゃぁ」

黒猫はしばらく王様を見つめ、何事もなかったかのように去っていった。

「っ……う…」

黒猫が見えなくなってから、王様は声を殺して泣きはじめた。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ