天下御免の傾奇者

□此ガ我ラノ幸セ也
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加賀藩主・前田利家が兄、利久が屋敷。

そこで程よく色付いた茜色の紅葉を見つめ助右衛門は口を開いた。


「義父上絡みでもないのに、お前が長期に渡り一ヵ所に留まるなど珍しいな?慶次」

「そうか?俺も人の子だ。たまにはいいだろう?」

「まぁ、な」


縁側で空を見上げ、徐々に冬に近付きつつある空気に目を伏せる助右衛門に、慶次は微笑みを浮かべて酒を注いだ。


(まさか、留まる理由がお前と逢いたいから…だとは思うまいて)


そう思いながら、慶次は盃を煽る。

助右衛門もまた盃を煽りながら口を開いた。


「しかし慶次。最近は寝れているのか?お前は戦中は寝れるというのに、平時は殆ど寝ておらぬだろう」

「ははっ、気付かれていたか。だが、眠れぬ日に夜空を眺めていると存外おかし(風情のある)なものだぞ」

「莫迦を言うな。薄らと目許に隈があるじゃないか!」


じっ、と慶次の顔を見ると、助右衛門は顔を顰め自身の膝に慶次の頭を無理矢理乗せた。

突然の事に慶次も目を見開いたが、彼は一度言い出したら自分が寝るまで譲らないだろう、と判断すると仰向けになり、目を閉じた。


「…辛くなったら起こせよ」

「心配は無用だ。外ならぬお前を膝枕しているのだ…辛いはずなどないな」

「……莫迦者が。…だが、それが助右衛門らしい」


(あぁ、幸せだ…)


そんな思いを互いに抱きながら、縁側ての時は過ぎていった────















END




───

縁側は風流リーチか茜傾奇ゾーンのアレでww

何だか無理矢理感が否めない…OTL


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