準さん知ってる?と聞くと、知らないって言われた。俺まだ何も言ってないんだけど。相変わらず素っ気ないなあ。隣に横たわる準さんは退屈そうに前髪をいじっている。 「聖書では同性愛って禁じられてるんだよ」 「ふーん」 さも関心がなさそうに準さんはまだ前髪を弄っている。こちらに見向きもせずに。おいおい仮にも桐青はミッションスクールだし、ちょっとは関心を持って俺たちの行いを振り返ってみたらどうなんだ。 「なんで」 「え、何が?」 「なんで、同性愛がダメなわけ?」 非生産的な俺たちの行為は意味を持たない。何にもなれない俺の遺伝子情報は白いティッシュと共にゴミ箱の中へ。繁殖の望めない関係はそのまま性の乱れと解釈され、それはそれは重い罪となるのだ。俺としては十分に意味のある行為なんだけど。でも後に何も残せないのは紛れもない事実だ。 「で、」 「それは別れ話?」 「・・・そんなんじゃないよ」 「ふーん」 ならいいよ、と準さんはようやくこちらを見て笑った。相変わらず綺麗な顔だなあ。何を思ったのか俺の首に腕を回す。 「じゅ、準さん?」 「ん〜?」 何してるの?と聞くと、はい取れた、と俺の首のロザリオを外した。そしてそれをベッド脇のタンスの引き出しにしまい込む。 「神様には目隠ししときゃいいよ」 だからもう1回、といたずらっ子のように笑う準さんは壮絶に綺麗で可愛くて、愛しくて心から好きだと思った。 ソドムにて純愛 意味なんてそれだけで十分 いつだって準太の方が1枚上手なんです。 |