詩集T
□愛故の死
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愛する
君の手に握られた
ナイフによって
今夜
私の心臓は
鼓動を止めるだろう
でも
それで良い
私は死を望んでいる
死は
遅かれ早かれ
誰にでも訪れるモノなのだ
ならば
いつか君と
離ればなれになってしまう前に
今まで
私を抱き締めてくれた
温かくて優しい君のその手で
どうか
私の心臓を
ひと思いに貫いてくれ
そうすれば
私は幸せなまま
あの世とやらに逝けるのです
一人
残ってしまう君には
とても申し訳無いけれど
愛故に
君を残して逝った事
その事だけは分かってほしい