□逢
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「はぁい!ディステニーランド一泊二日でーす!!ペアですよ〜!」


「…ペア」


のし袋をもらった男はくわえていた煙草を地面に落し揉み消した。










【逢】










時は変わって万事屋。


ジリリリ…ジリリリ



「もしもーし」


「あ、俺」


「オレオレ詐欺は、いりませーん」



ガチャ




ジリリリ



「もしもーし」


「俺だ!!」


「オレオレ詐欺は、いりま」

「土方だコラァ!」


「最初から名乗れよ」


「銀時ィ、わかってやってただろ!?」


「まぁな」


「認めやがった」


「で?何か用かよ?」


「ディステニィーランド行くか?」


「は?何急に?」


「福引き当たったからよ」


「ふーん」


「で?」


「で?」


「行くのか行かねぇのかどっちか聞いてんだよ!!」


「行ってやるよ!」


「それじゃ今度の休み、九時に駅でな!!」


なぜか喧嘩腰に電話は切られた。









そして日曜日。
土方は何とか休みを取り、スキップしたい気持ちを抑え駅へと向かった。


目的地が見えた。

駅の入口を見遣ればそこには愛しき人。



「おぅ、待ったか?」


「待った待った超待った」


「そこは待ってねえって言えよ」


「事実だしー」


「まぁいい。行くぞ」


「あっ、今便所言ってるから待てよ」


「あ?誰が便所だって?」


「銀ちゃーん!」


駅の中から現れたのは神楽と新八、それと妙だった。


「なぜに!?」


「ディステニーランド行くって言ったら着いて行きたいって言うからよ。まぁ、俺一人で行くのも肩身狭いし」


「あ!ニコチンもう来たアルカ?」


「ニコチンじゃねぇ!」


「まぁいいね!銀ちゃん行くヨ!」


「おぅ」


「あ!おい」


二人きりのデートは泡へと消え、愛しの銀髪は神楽と共に駅内に行ってしまった。


「すみません土方さん。神楽ちゃんちょっとヤキモチと言うか、親離れ出来ないんですよ」


「あら、かわいいわね」


「…行くぞ」


すんなり意見を通した土方に驚きつつも、ディステニーランドに行ける喜びを隠せない二人であった。










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