11/01の日記

23:45
突発
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※限良♀家族設定




 暖かな昼下がり。
今日は夜行に行かず、限が朝からのんびりと過ごし、じゃれつく子供達の面倒を一切引き受けてくれた。
 手のかかる子供達が自分から離れている間に、良守も久しぶりに手の込んだお菓子作りに精を出していた。
普段なら手軽に作れるクッキーやプリンなのだが、絡み付く子供達が限に甘えている隙にケーキを焼き、スポンジを冷ましている間にデコレーションに使う果物を切り、ピューレにしてクリームに混ぜる。
 果物を混ぜるとクリームは分離しやすいが、甘さが控えめになるのだ。
子供達の分のケーキにはチョコソースでも掛けようかなと考えていると不意に妙に静かな事に気が付く。
 先程まで子供達の楽しげな声が響いていたのだが、それが聞こえない。
 怪訝に思い切りの良い所で一度作業を止め、自分達の部屋を良守が覗きに行くと微笑ましい光景が広がっていた。
 「寝ちゃった?」
「かーしゃ、シィー、だよ」
襖から少し顔を出して訊くと、押し入りからハーフケットを引っ張り出していた誠が指を口に当てた。
 畳の上にはクッションを枕にして暖かな陽射しを浴びて緩く目をつぶり寝息を立てている限と、その腹の上に俯せで同じく寝息を立てている快。
限の片手には読みかけらしい指が本のページを挟んだままの文庫本。もう片手は快の体を支えるかのように快の背に置かれていた。
 ハーフケットを父と弟に掛けてあげる息子に優しいね、と良守は微笑みかけると、ニコニコと笑い返してくれる。
 「ケーキ作ってるんだけど、誠先に食べる?」
「みんなで食べたい」
「じゃあ、二人が起きないうちに完成させよっか。お手伝いできる?」
「あいッ」
ひそひそと、眠る父子が起きないよう母子は小声で微笑みあう。
 優しく暖かい秋の午後。



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短編書いたら短すぎたので突発にあげました(*´ω`*)

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