04/30の日記

10:58
突発祭りB
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※限良♀












 烏森学園高等部を卒業して暫くしたある日の事だった。
良守がどうしても行きたい場所があると言い出した。
 良守が言う場所はそんなに遠い場所ではなかったが、夜には烏森に仕事をしに行かなくてはならない。
ゆっくりする時間はないと予想は出来たので限はあまり気乗りしなかった。
 しかし、限も興味があるのも確かだった。
公共交通機関を利用せずとも頑張れば自転車でも行ける距離だが、自転車で行くには勇気が必要だ。
しかたなく高校を卒業してから何かと活用しているバイクを出し、良守を後ろのシートに座らせそこに向かってバイクを走らせた。


 「うわー、すっげーッ。限、見て見てでっかいベットだ!やっわらけーッ」
部屋に入るなりダブルベットに飛び込んで行く良守を尻目に、限は完全にしまっていない部屋のドアをきちんと閉める。
カチャン、と自動で鍵が掛かった。
 「わーッ、すげーッ!限ほら見ろよ、このパネル部屋の照明の明かり調整出来る!あ、こっち有線だッ」
明かりが不自然に明るくなったり暗くなったりする。
そうかと思えば様々な音楽が流れた。
 「凄いスゴイッ!わッ、カラオケやゲームやスロットもある!点数に応じて景品だって!やろうよ!」
「いい、別に」
良守は気付いていない。景品が下着やいかがわしいものが含まれている事に。
 良守は素っ気ない限の言葉に気付かず、面白そうに部屋の中を探検しだす。
 ベットからいなくなったので、シーツの乱れたそこに限は腰を落ち着けた。
 「限!風呂でかい!わッ、入浴剤沢山だ!使っていいのかな?」
「良いんじゃねえか」
「使うーッ!風呂にお湯溜めよ!限も入る?」
 すっかり娯楽施設にでも遊びにきた感覚になっている良守に限は軽く頭が痛くなる。
ここは所謂ラブホテル。どうやら誰かにいらぬ情報をもらい、そういった行為をしなくとも楽しく遊べる場所だと思っているらしい良守はキャーキャーと楽しそうに笑い声をあげながら自由きままに遊んでいた。
 「俺は仮眠するぞ。夜には烏森行くんだからな」
「わかったー、じゃあ俺風呂入るッ!」
 良守の楽しそうな声を聞き、限は溜息を吐き、悶々しながらベットの中に潜り込んだ。
 限だってこういった場所に来るのは初めてだったが、良守のようには遊ばずに本来の利用の仕方で利用したい。
しかし良守がそんなそぶりをまったく見せないので我慢して寝る事にする。
 しかし目をつぶっても浴室の方から良守の楽しげな声がずっと響いているので眠る事が出来ない。
「わッ!ここジャグジー付いてる!わ、泡ブロになった!あ、この入浴剤泡ブロだったのか。うひゃー、この風呂ライトも付いてる!きれいだなぁッ!」
「……」
無言で寝返りを打った。
「テレビもついてる!豪華だなぁ…。ギャーッ」
アダルトテレビのチャンネルになっていたらしいと気付いたが、夜行の大人達のお陰で耳年増になっていた限は良守の悲鳴に特に驚かず、本気出して眠る事にした。
 しかし限が眠りについて暫くすると、風呂から上がった良守が限を叩き起こし、「見ろよ!バスローブあった!俺初めて着たッ!」と、興奮混じりに湯上がりの肌に直接バスローブを着て限の横に立つのを見て、躊躇なく限は良守をベットに引きずりこんだ。
 良守は真っ赤になって大きな声を上げたが、ここはそういう場所だと限に嫌という程教え込まれた。



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妄想爆裂万歳。

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