04/15の日記

23:44
突発
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※限良♀家族設定












 まだ夏には早い季節だというのにその日は日差しが暑かった。
風も吹かず、前日に雨が降っていたこともあったのだろうが、蒸し暑かった。
 子供達が暑さにだれて泣き言を言い始めたのを見兼ね、まだ仕舞っていた夏物の服を引っ張り出すほど暑かった。
 「異常気象かな?」
たまたま冷凍庫にあった棒付きアイスにかじりつきながら良守は愚痴た。
良守も暑さに参っているらしく、自分も夏物を出してボーダー柄のタンクを着ていた。
「…さぁな」
限も暑さに参ったらしく、Tシャツを来て冷たい飲み物を飲んでいた。
 この家は昔ながらの日本家屋の形なので戸という戸を開け放てば涼しい風が入って夏の暑さもそれほど気にならないはずなのだが、その肝心の風が吹かなければ意味がない。
一応は戸を開いてはいるが、風の代わりに入って来るのは子供達の笑い声だった。
 子供達は夏物に着替えただけで暑さもふっとんだのか、庭で歓声を上げて遊んでいた。
 「まぁまッ、ぱぁぱッ、いっしょにあしょぼッ!」
居間に面した縁側に快が笑いながら飛び乗った。
暑い中遊んでいた所為で丸みを帯びた丸い頬っぺたが真っ赤になっていた。
「うっわ、快汗だくだ。帽子被りなさい」
「ぼーしややぁッ」
「あ、コラ逃げるなッ」
余程気に入っている帽子でないと冬でも暑いと嫌がる快は、帽子に手をのばした良守を見て慌てて逃げ出し、良守はそれを見て笑いながら快を追い掛けた。
 「あ、オニゴッコせーもやるッ」
快と良守の走りを鬼ゴッコと勘違いした誠もキャーと笑いながらそれに加わった。
 良守も最初は汗だくな二人に帽子を被せるという理由を持っていたはずなのに、いつの間にか鬼ゴッコに興じ、快もそれにならっていた。
 身軽さを両親から受け継いでいる二人は笑いながら良守から逃れ、良守も笑いながら躍起になって捕まえようとしている。
 身軽な子供達をほほえましく見ていて、限は不意に気が付いた。
「お前ら、靴どうした?」
子供達はどちらも素足だった。
足の裏は泥だらけで真っ黒だ。
 「ぬいだ!」
「あっちゅなの!」
笑いながら当たり前のように言う子供達に頭を軽く痛くしながら、限も良守に加勢する事にした。
 庭とは言え、小石でも踏んで足を怪我したら大変だった。
 「良守、囲い込むぞ」
「りょーかい」
限の加勢に勝ち誇ったように良守が笑った。
キャーと、子供達も嬉しそうに笑った。
 身軽とはいえ行動パターンが読みやすい二人に限が素早く回り込んで退路を塞いで逃げ道を無くす。
立ち往生した二人の背後から良守が回り込み、最初の目的だった快を抱き上げた。
「つーかまえたッ」
「ふわぁッ」
「こっちもだ」
「うきゃあッ」
 快が良守に掠われて隙の出来た誠を限は持ち上げた。
簡単に逃げられないように肩車して体を掴む。
身軽とはいえ、幼い誠にはまだ自分の背より高い場所から飛び降りる勇気はない。
 「もーぅ、とーしゃはやいーッ」
遊びを素早く終わらせられた事に対する文句を言うが、言葉とは裏腹に声は弾んでいる。
楽しそうに笑いながらギュウッと限の頭に抱き着く。
 「まぁま、かぃまだあしょぶー」
「汗だくなんだから一回休憩ッ。足の裏も泥んこだろ。…そうだ、限ちょっと快も持ってて。お風呂沸かすから二人と入って」
ハイ、と胸にきょとんとした快を押し付けられ、限は一応快を支える。
「…持っててって、ずっとか?」
「裸足だし、泥だらけだもん。足の裏」
 直に地面に下ろすわけにもいかないし、家に上げるわけにもいかないと続けて笑う良守に苦笑し、限はしっかりと快も受け取った。




***

一葉ちゃんがくれた記念イラストに小咄を考えて出来た産物(´∀`)



息抜きでした(笑)

それでは、頑張ってきます(笑)

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