♪Story♪

□大雨のち快晴。その後大嵐
1ページ/3ページ

「志々尾君が入院したって聞いてびっくりしたのよ。アタシ、クラス代表でお見舞いに来たの」
「…あ、ああ……そうか」
突然病室に上がり込んでまるでマシンガンみたいに立て続けに口を開く女子に志々尾はびっくりしたみたいに固まってる。相槌を打つので精一杯って感じ。
……て、いうかお前のクラス何人代表がいるんだよ。なよっとした男の委員長みたいなのを除いても、これで代表八人目だぞ。
その女子は長い髪を後ろにばさりと手で流すと、鞄の中からでっかいリボンを付けたプレゼントを出して「これ、お見舞いの品」って志々尾の身体に押し付けてきた。
止めろよ、そこ、一番深く斬られた場所で志々尾の身体でもまだ治ってないんだ。痛いんだぞ。ほら、ショーコに志々尾の眉毛、今ピクッてした。
奇跡に近いんだぞ。志々尾があの戦闘で生命を取り戻したのは。怪我も治りきらなくて、裏会の息のかかった病院に事故で怪我して入院しているって事にして学校だって休んでるのに。
静かにしなきゃいけないのに、これじゃ志々尾全然休めねぇじゃん。
………そういう俺も、今日も飽きずにお見舞いに来てたんだけど。
病室の外から中を窺い見て、志々尾が困っているのはわかるのに、どうしてもドアが潜れなかった。
何か……。目茶苦茶ムショーに、腹が立った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ