♪2nd Story♪

□おるすばんびより
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 「…良守、明日、暇か?」
「何で?」
子供達を寝かし付け、部屋の明かりを消そうとスイッチに手をかけた良守は限に不思議そうに聞いた。
限は布団の中で体を動かし、向こう端にいる良守を見つめ照れ臭そうに囁いた。
「…明日、結婚記念日だろ。籍入れた日。出掛けないか?二人で」
良守は限の言葉に顔を赤らめ、嬉しそうに微笑んだ。
「限がデートに誘ってくれるなんて、すっごい久しぶりだな。…どこ行く?」
「……亜十羅から、映画のチケットもらった。こいつらが観ないようなやつだから、お前と行けって意味だと思う」
限は小さく微笑みを浮かべ、自分の隣で寝息を立てている誠の頭をそっと撫でながら言う。
くうくうと寝息を立て、寝返りをうって開けた布団を快にかけなおしながら良守は頷いた。
「じゃ、映画な。限と二人で行くのって何時ぶりかな?誠が生まれる前だよな」
「最近は正月と夏休みに家族四人でドラレンジャーばかりだったな」
「明日の映画、何?まさか大人も楽しめるようなドラレンジャー?」
クスクスと笑いながら良守が訊くと、限は楽しげに息を吐きながら答えた。
「そんなわけないだろ。こいつらが観ないような奴だって言っただろ?…一応、お前が好きそうな奴だ」
 良守の顔は花が綻んだような柔らかな微笑を浮かべ限を優しく見つめた。
「そっか。楽しみだなぁ。誠と快は父さんに任せて、久しぶりにゆっくりしよっか」
「ああ…」
 クスクスと笑いあいながら、良守は明かりのスイッチを切り、眠りについた。


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