♪宝書物♪
□百万回の好きより
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「お前…俺のどこが好きなんだよ」
「へ??」
分からない、何1つ。
俺みたいな奴の、どこに好きになる要素があるのか…。
顔だけで判断する、そこらの女共とは違う。
コイツは、俺の中身を知ってる。
それでも好きだと言う。
何が??どこが??
俺にはお前が、不思議でたまらない。
「どこって…」
きょとんと俺を見上げて、ふと笑う。
「んーとねー、優しいとこ、強いとこ、不器用なとこ、照れ屋なとこ、あとー…」
「俺は嫌いだ」
「え…??」
一瞬で墨村が固まった。
それを見て、俺も固まった。
何かおかしなことを言ったか…??
「ーー…っ」
途端に涙を溜める墨村を見て、ハッとする。
「違う!!お前のことが嫌いと言ったんじゃない!!」
「ぅぇ??」
なんだ、そうなの、と安心した顔をみせた。
危なかった、泣かせるところだった;
「俺は……不器用なとこも照れ屋なとこも…嫌いだ……何も…素直にお前に伝えられやしない」
言ってることが何だか恥ずかしくて、誤魔化すように抱きしめた。
「志々尾…気にしてたの…??」