永遠を貴方と
□十二話
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あれから先代の頭の墓に行き、翼宿が死んだ事実を痛感した。
どうしたらいいのか途方にくれる私達に舞い込んできたのは天の助け…なのかどうかはまだ分からないけど、確実に前に進む為の言葉だった。
「死者を蘇えらせる――かぁ…。
どう思う?美朱」
美朱と同じ部屋をもらい、今は私と美朱のふたりだけ。
「んー」
美朱は私の問いに考えるように唸った。
「わかんない…けど、前に進める道があるなら確かめたい」
「…うん」
美朱らしい答えに笑顔を向ける。
でも、本当は気が乗らなかった。
朱雀を呼び出す為には避けて通れない道…。
それは分かっている。
でも……。
どうしようもないと思い、ため息をつき、話題を変えるため口を開いた。
「もぅ寝ようか」
「えーッッ!!まだ眠くない」
グイッと布団を引っ張る私を見て、美朱は私のベッドによじ登ってきた。
「もぅッッ!!明日、出発するんでしょ?!」
呆れたように息を吐く私に、美朱は目をそらして黙った。
「美朱??」
こういう時の美朱は何か聞いて欲しいことがあるとき。
静かに私の横に座って足をブラブラさせてる美朱の横に私は何も言わずに座った。
「ね…月奈ちゃん…」
しばらく黙っていると美朱がふいに口を開いた。
「ん??」
返事をすると、自分の足下に視線を向けたままの美朱の横顔を見た。
「あの……ね。
もしッッ!!もしだよッッ?!
あたしが柳宿のこと好きだって言ったら月奈ちゃんどうする?!」
え――??
ドクンと心臓が大きく動いた。
好き…??
美朱が……柳宿を………
ギュッと胸が締め付けられるように痛い。
何がなんだかわからない傷みに泣き出したくなった。
「月奈ちゃんッッ?!
だから“もし”だってば!」
私の様子に焦ったように早口で言う美朱。
「もし…って…。
どうしたの美朱…?」
“もし”を強めて言う美朱に、過程の話だと自分に言い聞かせて美朱を見た。
「………唯ちゃんがね…好きなんだって」
「え??」
よく分からなくて美朱に聞き返す。
唯が好き??
誰を――
「唯…鬼宿が好きなんだって…。
だからあたしから奪ってあげる…って…ッ」
唯が…鬼宿を――?!
辛そうに瞳を揺るがす美朱にかける言葉が見つからない。
唯…
唯は本気で美朱に敵対する気なの…
そう思うと今までの私達の思い出が走馬灯のように頭の中をかけた。