永遠を貴方と

□十話
5ページ/6ページ

ドォンッ!!!!

「?!」

「なんや?!!」

パラパラと崩れる壁に頭の手がピタリと止まった。

ドコォッ

「月奈ッッ!!!!」

「ぬ…りこ?」

壁をぶち破って現れた柳宿。

助けに来てくれたんだ――

しかし、柳宿は表情を固めたまま私を見た。

「月奈ちゃんッッ!!!!」

美朱は半泣きで私に抱きつくと、はだけたブラウスのボタンをとめてくれた。

「無事だったか?!月奈」

星宿が手を縛られていた縄を切ってくれたので、制服を整えた。

「うん、大丈夫。
星宿こそ腕の怪我大丈夫なの??」

「なんのこれしきの傷。
それより月奈」

「ん?」

「そろそろ柳宿を止めた方がよいと思うが…」

「え?!!」

バッと振り返ると今にも頭を殺しかけている柳宿。

「ちょッッ!!!!ι柳宿?!!ι」

頭の顔には、先ほどまでなかったたんこぶやら青あざやらが出来ていた。

まさにボコボコである。

「大丈夫よ」

ニッコリ笑顔を浮かべる柳宿。

「殺しはしないから」

グッと拳を握る柳宿に月奈は慌てた。

「ストップストップストップッッ!!!!ι」

バッと振り上げた柳宿の腕にしがみつく。

「ほら、私なら無事だし、未遂だったんだから」

ね?とあやすような声で柳宿を見る。

「本当に何もされてないのね?」

私を見てスッと腕を下げる柳宿。

「そりゃちょっとは触られたけど…」

「やっぱり殺す」

ギッと目つきの変わる柳宿に月奈はしまったと口を塞ぐが今更既に遅い。

柳宿の殺気に頭はヒィィッと顔を真っ青にして後ずさった。

「待って柳宿ッッ!!ιその人、体に字のある人が誰か知ってるって!」

そう言うと柳宿はピタリと止まると、チッと舌打ちした。

(しっ舌打ち?!!ι)

とりあえず、止まった柳宿を頭から離す。

「体に字のある人のこと知ってるの?!
ねぇ教えて!誰なの?!」

美朱が必死に訴える。

「たっ翼宿や!!ι
確か字ぃ持っとった!!」

頭は柳宿への恐怖の為か素直に答える。

美朱は頭の言葉を聞くとみるみる表情を明るくした。

「で、その人はどこ……にぃ?!!」

「月奈?!」

突然の浮遊感に語尾がおかしくなった。

「女はこっちや!!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ