永遠を貴方と

□十話
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「目ぇ覚めたみたいやな!」

現れたのはガラの悪そうな男達。

…しかしこのイントネーションは…

「な…何者だ?!」

「なんやオレらのこと知らんのかいな!ほな教えたる!」

「……なんで関西弁なの??
ここ中国よね?ι」

「ね、ね、月奈ちゃん」

コソコソと私に耳打ちする美朱に耳を傾ける。

「何?どーしたの美朱…」

「太一君に貰った玉のヒントに“山”って出たの」

「え?!ってことは…」

「この山賊さん達の中に七星士が居るかもしれないッッ!!」

「でも、どうするの??」

「あたしに任せて!」

自信あり気に笑う美朱。

正直……不安だ…。



「てなワケや、おとなしいに言うこと聞いて…」

あ、いつの間にか話が終わったみたいだ。

まったく聞いてなかったけど。

「よしッッ!!今だッッ!」

そう言って立ち上がる美朱。

「え?!美ぁ………」

ビリッ

「…………ι」

「うわ―――ッッ!!なんや―ッッ?!ι」

「ええい!おとなしく言うこと聞きやがれ!!」

まるで悪役のようなセリフを吐きながら山賊達の服を破る美朱。

「み…美朱…ι」

開いた口が塞がらないってまさにこのこと。

「ね、柳宿…朱雀の巫女が美朱で本当に間違いないないのかな……」

「あたしに聞かないで」

遠い目で山賊達を襲う美朱を眺めながら柳宿に尋ねると、柳宿は美朱から視線を逸らした。

ゴンッ

「なんじゃいこのジャリは!!」

「兄キ!!」

兄キと呼ばれた男は美朱を殴って大人しくさせ、ヒョイッと美朱を持ち上げた。

「頭から1人つれてこい言われてきたんやけど元気あるさかいお前に……」

「………ん?」

ジッと私の顔を見てる男に私は眉を寄せた。

それに気付いて柳宿は背中に私を隠してくれる。

「……へぇ」

男がニヤリと笑ったのが柳宿の背中から見えた。

「決めた。
お前にしたる!」

私を指差す男。

「は?!私?!ι」

「あんた…」

ゾクッ

柳宿の背中から一瞬殺気を感じた気がした。

「月奈ちゃん!
ちょっと!連れてくならあたしにしなさいよ!!」

「そんなん言うたかて、あんたよりその嬢ちゃんの方が格段美人やし」

あっけらかんと言う男に、美朱は……



へこんだ。

「なによなによ…。
どーせあたしは月奈ちゃんほど可愛くなんてありませんよー」

「ちょっと美朱ッッ!!ι」

へこんでないで助けろッッ!!と叫ぶが全く聞こえてない様子。

「まぁ、ちょうどいいわ…。
この中に5人目の七星士がいるかもしれないし、頭のとこに連れてってくれるみたいだから、ちょっと探ってくるね」

コソコソと柳宿と星宿に耳打ちする。

「そんな危ないことさせるわけないでしょッッ!!」

「大丈夫大丈夫。
星宿怪我してるし、柳宿、美朱と星宿よろしくね」

「ほれ、はよ行くで」

「わッッ!!」

「んなッッ!!」

男に抱き上げられ、それを見た柳宿の顔にピキッと青筋が浮かんだ。
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