永遠を貴方と
□九話
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「じゃあ、井宿が星宿様の身代わりに?」
「うん、宮廷に残ってくれてる」
美朱が星宿と話しているので、柳宿に事情を説明した。
「美朱……大丈夫かな」
星宿と話す美朱を見る。
「…大丈夫じゃ…ないよね。
本当は泣きたいはずなのに…私は泣かせてあげることも出来ないのかな」
「あんたの存在は、美朱の支えになってるわよ」
「柳宿…」
「鬼宿が居なくなって、あんたまで美朱から離れてしまってたら、美朱は壊れちゃってたわよ」
クシャリと私の頭を撫でてくれる柳宿。
「美朱の側に居てやんなさい」
フワリと笑う柳宿。
「柳宿…私、柳宿が居てくれてよかった」
「―――ッッ」
「柳宿?」
見上げると口元を手で覆う柳宿。
不思議そうに見上げていると柳宿は私の視線を避けるように、私の頭を下へ下げるとソッと口を開いた。
「あんた…それ他の男に言ったら殴るわよ」
「えぇ?!!ι」
ガバッと頭を上げて見上げると、口をポカンとあけた柳宿の顔。
「???」
不思議に思い、柳宿の視線を追うと……
「…なッッ!!///」
人様のキスシーン…ましてや親友の…なんて人生で一生に見ることがあるかどうか…。
柳宿の視線の先にあったのは美朱に口づける星宿の姿。
星宿……美朱のこと…
本当に好きなんだ――
ふと視線を感じて見上げれば自分を見下ろす柳宿。
ドキンッ
その視線が…今まで感じたことのないくらい熱くて、私の心臓は大きく高鳴った。
柳宿――?
ドキドキとうるさい胸に手を当てながら柳宿を見上げる。
「月奈、あたし…あんたのこと」
息がかかるくらい近づく柳宿の顔に、私はギュッと目をつぶった。
ズゥ――ン
ハッとして目を開ければ、柳宿はバッと私を離した。
「美朱!!星宿様!!」
見れば、何かの仕掛けのようなものに下敷きになる美朱と星宿。
「美朱ッッ!!星宿ッッ!!」
慌てて駆け寄ろうとするが
ガッ
「うッッ!!」
頭に走る痛みに私は意識を失った。