永遠を貴方と
□九話
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「美朱たち、どこまで行ったのかな」
星宿が馬小屋に行くわけにはいかず、月奈が星宿に借りたと嘘をついて連れて来た星宿の馬に2人で乗っている。
「それほど離れてはいないと思うのだが…」
「美朱のことだから、そろそろおなかがすいて食堂…かな」
あれとか…と指をさす先には一軒の小さい食堂らしき建物。
「あれは……」
「星宿?」
緊迫したような星宿の声に顔を上げる。
「この辺りは山賊が現れると情報が入っている」
「山賊?!!ι」
「山賊が食堂の店員に扮して有り金を奪うと…何人か襲われた者も…ッッ」
「ちょッッ!!あれッッ!!柳宿の馬ッッ!!!!」
外に繋がれた柳宿の馬。
「美朱ッッ!!」
星宿は馬を食堂まで走らせるとバッと馬を飛び降りて中に飛び込んで行った。
「美朱ッッ!!柳宿ッッ!!」
続いて中に飛び込んむと、星宿の剣に刺されて崩れ落ちる男。
「星宿様ッッ!!月奈もッッ!!」
「2人共大丈夫?!」
「あたしは大丈夫だけど美朱が…」
食べ散らかされた料理。
まさか――ッッ
「毒を盛られたのか?!」
「う…ううん」
「美朱…?」
「食べ過ぎておなかが…痛い」
ゴンッ
バシッ
柳宿のげんこつと月奈の美朱の頭を叩く音が響いた。