永遠を貴方と

□九話
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「七星を4人で探しに行く?!」

「うん!充分休んだしね。
ごめんなさい四神天地書なくしちゃって…でも太一君がヒントの出る玉をくれたから頑張ってみる!」

いつも通りに笑う美朱。

「…美朱!」

「何?」

「いや…気をつけてな」

星宿……

ギュッ

制服のリボンを握りながら口を開く。

「柳宿…ごめん、先に行ってて」

「月奈?!」

「すぐ追いつくから」

月奈の真剣な目を見て、柳宿は「分かったわ」と頷いた。












「星宿」

「月奈!どうしたのだ??」

「戻って来ちゃった」

エヘヘと笑うと星宿は「忘れ物か?」と笑う。

「星宿が……あまりにもつらそうだから」

「月奈…」

「鬼宿が倶東へ行ったこと…私が行けばよかった…美朱にあんな顔させるくらいなら――ッ」

星宿にも…と言うと

「月奈、それは違うよ」

星宿は首を横に振った。

「お前はこの国だけではない、この世界にとって大切な存在だ。
鬼宿は、美朱を、お前を、この国を、世界を守る為に倶東へ行ったのだ。
お前はその鬼宿の想いを裏切るのか?」

「星宿…」

「それに、私がツラいのは…苦しいのは自分の不甲斐なさだ。
鬼宿はこの国のために犠牲になり、それを美朱はムリして明るく振る舞って…なのに私は鬼宿の代わりに美朱の側で守ることさえかなわぬのだ」

そうか…星宿にとってはこの国も美朱も大切なんだ…。

「星宿、美朱と行って!」

「!しかし月奈、私は国を離れるわけにはいかぬ」

「国は鬼宿のおかげでしばらく安全なんでしょ?
“皇帝は宮廷に居る”って事実さえあれば大丈夫。
私が星宿の身代わりになるから」

「しかし家臣達がそれを許すか…」

「それなら、おいらが身代わりになりますのだ」

「「井宿?!!」」

突然現れた井宿に驚く。

「でも井宿、それなら私が残った方が…」

ドロンッ

「……井宿が残った方がいいみたいね」

煙の中から現れた井宿を見て月奈は感心した。

井宿は星宿そっくりに変身したのだ。

「ち…井宿…」

星宿は感動してるのかと思いきや…

「…私はもっと綺麗だ」

「…は?!ι」

「目元はもっと切れ長だ。
鼻筋ももっと通っている。
第一色気が足りない!!
変身し直せッッ!!」

「だッ…こっこれ以上そっくりになれないのだ!!ι」

「…………ι」

星宿がナルシストだとこの時初めて知った月奈だった。
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