永遠を貴方と

□五話
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「あの…柳宿…?」

「なによ」

「えと…そろそろ離して??」

「嫌よ」

抱き締められたままの格好で、少し照れながら離して欲しいと言うと即座に却下された。

「なッッ!!ι何でよーッッι」

「こうしてないと、あんたはフラフラどっかに消えちゃいそうだから」

「フラフラって…」

柳宿の言葉にムッと口を尖らせる。

そうしてみても、抱き締められてる為、柳宿には月奈の顔は見えないのだが

「現に、あんたあたしの居ないとこで何回危険な目にあった??」

「……2回だけじゃん」

ピクッ

「“2回だけ”ねぇ…」

低くなった柳宿の声色に月奈はビクッと体を硬直させた。

マズいと思ったときには既に遅く、柳宿は月奈を離すと息を吸い込んだ。

「“2回も”よッッ!!!!“も”ッッ!!!!」

キーンッと柳宿の声が耳に響く。

「たった2ヶ月で2回ッッ!!!!
あんた1年で最低12回もあたしに心配かける気?!!」

なんで1ヶ月に1回は絶対心配かけることが前提なのか…と思ったが、下手に口を出そうものなら更に怒鳴られそうなので大人しく柳宿のお説教に体を縮ませた。

そうしていると、不意にまた抱き締められた。

「柳宿…?」

まだまだお小言が続くと思っていたのに何も言わずに抱きしめてくる柳宿に不思議そうに声をかける。

「大人しくあたしに守らせてよ」

ドクンッ

思いがけない柳宿の言葉に心臓が脈打つ。

「な…んで…」

「守りたいから…じゃダメなの?」

「柳宿の守る相手は私じゃないよ」

「言ったでしょ
あたしはあんたも守りたいって」

ジワリと眼の奥が熱くなる。

「……くッ…ひッ」

「何で泣くのよ」

柳宿の困ったような声と共に私の髪を撫でる暖かい手が降りてくる。

ずっと忘れてたこの気持ち…

これは何?
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