永遠を貴方と

□三話
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バタバタと慌ただしい足音が聞こえる。

「なんか騒々しいね」

私は顔を上げた。

「ホントねー。
なんかあったのかしら」

「足音…こっちに向かってない??」

「…そーみたいね…」

柳宿は何かを感じたのか、まさかという顔をした。

バンッ!!!!!

「柳宿ッッ!!こっちに月奈ちゃ…」

「え…?み…美朱ぁぁあッッ!!!!」

突然扉が開き、現れたのは待ち望んだ親友。

「月奈ちゃんッッ!!」

美朱は私を見るとパァッと笑顔になって私に抱き付いた。

「美朱…ッッ
戻って来てくれたんだ」

「当たり前じゃんッッ!!
よかったッッ!!向こうに戻ったら唯ちゃんが居ないって…月奈ちゃんも学校休んでたし、もしかしたらと思って…ッッ」

美朱は涙ぐんで私を見る。

「え…ちょっと待ってッッ
唯ちゃんが居ないって…」

「月奈ちゃん、唯ちゃんと一緒じゃなかったの?
あたしてっきり…」

動揺する美朱。

「そんな…ッッι
私てっきり、唯ちゃんは美朱と一緒だと…ッッ」

美朱の言葉に月奈はサッと青ざめた。

そんな…

じゃあ唯はいったいどこに…

「朱雀を呼び出して、唯を見つけてもらって、みんな一緒に帰ろうッッ!!」

美朱は私の不安を感じ取ったのか、笑顔を向けた。

「そう…だね」

美朱に笑って応える。

帰る…

そうだ…私はこっちの人間じゃない…

でも…

「ちょっと美朱ぁ?
あたしに挨拶はないわけ?」

柳宿が不機嫌な声で言う。

「あッッ!!柳宿ッッ!!」

「あッッ!!柳宿ッッ!!じゃないわよッッ」

柳宿は美朱の頬をつねる。

「い…いひゃい…ι」

「たっく…
久しぶりね」

柳宿は美朱の頬から手を離すと笑顔を浮かべた。

「柳宿、鬼宿は?
どこにいるの?」

「鬼宿はいないわ。
金儲けして田舎に帰るんだって何日か前…」

「…そっか」

それを聞いて俯く美朱。

そっか

美朱、鬼宿のこと…
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