永遠を貴方と
□十五話
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軫宿を仲間に加え、残る七星士はあと1人。
「まぁ、そんな簡単に見つかるわけないよね」
2日ほどあちこちウロウロしているが、大した情報もなく…ずっと野宿ばかりということもあって、夕暮れになる前に私たちはとある村に一泊することとなった。
「久しぶりの布団だーッッw」
宿屋の部屋に入るなりベッドにダイブする美朱。
私もダイブ…はしなかったがボフッと布団に顔を埋めた。
「あー…すぐにでも寝れそう」
ホントに寝てしまいそうな心地になっていると、美朱はベッドにうつぶせたまま私を見た。
「今日は寝れそう?」
美朱の「今日は」という言葉に顔を上げる。
「え?」
「……あんまり眠れてないみたいだったから」
鈍そうに見えて美朱は結構人のことちゃんと見てると思う。
「そう…かな…」
ちゃんと眠ることは出来る。
ただ目が覚めてしまうだけ…
「柳宿も心配してると思うよ??」
不意に出た柳宿の名前にドキッと胸が鳴った。
「柳宿が…?」
あえて聞いた。
聞いてみたくなった。
柳宿とはあれから…
あの告白から前より一緒にいることが少なくなった…気がする。
でも相変わらず態度は普通で、私も普段通り彼に接した。
「んー…なぁんか2人共変だよね??」
美朱は起き上がってベッドに座り直しながら言った。
美朱の目には私たちは普段通りには映らなかったらしい。
「柳宿も…月奈ちゃんが気になって仕方ないならそばに行けばいいのに」
つかず離れず
そんな言葉がぴったりだろう。
離れて歩いていても必ず感じる視線。
赤面してしまいそうな程に強いのに…どこか安心してしまう。
護られてる――
そう思えて、強い柳宿の想いに、不安なんて消え去りそうになる。
「柳宿となんかあった?」
眠気もあって、ボーっとしていると、美朱が不意に言った。
「え?」
聞かれたことの意味が分からなかったわけじゃない。
言葉が見つからずに聞き返した。
「だって2人共変だから」
変だとハッキリ言う美朱。
話してしまおうか…
でも勝手に話すのもどうだろうかと思う。
知らない人のことならいざ知らず…相手は柳宿だ。
どうすべきか悩んでいると、美朱は
「…無理に聞こうなんてしてないから大丈夫だよ」
と笑って言った。
美朱…
「…ありがとう…でもちょっとだけ…相談してもいい?」
ゆっくりベッドから起き上がって、美朱を前にして座り直す。
「もちろん!」
私が尋ねると、美朱はなぜかパッと顔を輝かせた。