永遠を貴方と

□十二話
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「ほんますまんかったッッ!!!!」

ガバッと頭を下げられて、月奈は慌ててそれを止めた。

「もっもういいわよι
ね、美朱?」

同意を求めて美朱を見る。

「あの…ひとつだけお願いがあるんだけど」

「なんや?」

美朱の言葉に幻狼が答える。

「この中に“翼宿”って人いる?!
いたらあたし達と一緒に来て欲しいの!」

「“翼宿”…?!」

みんな知らないのか、お互いに「知ってるか?」と聞き合っていてザワザワと囁きが聞こえる。

「ね、エイケンは知ってるんじゃなかったの?」

「いや実はわいも誰かは知らんねや」

「なッッ?!!
じゃあ知らないのに嘘付いて言うこと聞かせて私の体触ったの?!!」

ピクッ

「なんですって?」

私の問いに知らないと言うエイケンに、された事を思い出してつい口を滑らせると、それに反応した柳宿がエイケンを鋭い眼差しで捉えた。

「ぬ…柳宿?ι」

バキバキと拳を鳴らしながらエイケンに近付く柳宿にマズいと思い、恐々声をかける。

「大丈夫よ、月奈」

クルリと振り返って私を見る柳宿。

「一瞬であの世に送ってやるから」

ニッコリ笑う柳宿の背中に鬼が見えた気がした。

(ごめん!エイケン!ι)

上がった悲鳴に聞こえないふりをして、話を戻した。

「それじゃあ、結局誰が“翼宿”かみんな知らないの??」

心なしかみんなの顔が青ざめている気がしたが、それは黙っておく。

「オレ知っとるで」

幻狼の言葉に攻児が一瞬だけど反応したように見えた。

(…やっぱり攻児は何か知ってる…?)

「ホント?!教えて!!」

嬉しそうに幻狼に向き合う美朱。

「えーけどガッカリしなや」

幻狼はそこで言葉を切ると続けた。

「“翼宿”っちゅーのは先代の…頭のことや。
つまりもう死んでおらへん」



え――



“翼宿”が死んだ―――?!
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