永遠を貴方と
□十一話
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「きゃッッ!!」
ドサリと床に投げ出され、月奈は男を睨んだ。
「ちょっと!もっと丁寧に扱って……って!何してんのッッ?!!」
ドサッと私に覆い被さってくる男に慌てる。
「ゆうたやろ?今夜一晩可愛がらせてもらう…てな」
ニヤリと笑う男にピキッと顔が引きつった。
「じょっ冗談じゃないわよッッ!!ι」
どうして1日に2回もこんな危機に直面しなければいけないのか
「悪いな。
お前に恨みはないねんけど…見せしめじゃ」
「見せ…しめ…?!」
女をなんだと思ってるのかと腹が立った。
こんな奴らが居るせいで唯は――ッッ
ガッ!!
「痛って―ッッ!!!!
何すんじゃいッッ!!!!」
「それはこっちのセリフよッッ!!」
見事に男の左頬に入った拳をグッと握りながら月奈は構える。
「女だからって舐めないでよねッッ!!
来るなら来なさいよッッ!!」
左頬を押さえながら私を見る男を精一杯睨みつけた。
「……アホくさ」
「へ?」
クルリと背を向ける男に唖然とする。
「泣きもせーへん女…やりがいあらへん。
だいたい女っちゅーのは好かんのや」
この人……
「ホ○?」
「だぁれがホ○じゃいッッ!!!!」
素早く怒鳴られた。
「だって女が嫌いって言うから」
「それでなんでホ○になるんやッッ!!!!」
指さして言うと、その手をパンッと弾かれた。
「だいたいオレがホ○やったらお前はレ○やろ!」
「なんで私がレ○になるのよッッ!!」
ハッと笑って言う男に眉を寄せた。
「お前担いどった時にえらい殺気放っとったねぇちゃん、お前のこれとちゃうんか?」
ニッと笑いながら小指を立てて見せた。
「は?!!ι
て、柳宿は男なんだけど…」
「男ぉッッ?!!」
大袈裟に驚く男に月奈はなんなんだ…と呆れた。
「ふぅん…なるほどなぁ」
ニヤニヤ笑う男に「なによ」と顔をしかめる。
「お前、あいつのこと好きなんやろ」
「なッッ!!///」
カァッと顔が熱くなるのが分かった。
好き?
私が柳宿を…?
「ち…違うもんッッ///」
ブンブンと頭を振って答えた。
「そんな顔してゆったかて説得力あらへんで」
今、私の顔は真っ赤なのだろう。
カカカと笑われてムッとする。
「なによ、ホ○のくせに」
「ちゃうゆーとるやろッッ!!!!」
しつこいわッッ!!と殴られた。
「まぁ、あいつはお前のこと好きみたいやし」
「柳宿が…?」
殴られた頭を押さえながら言われたことにキョトンとしていると、男は私の様子にポカンと口を開けた。
「なんやお前ッッ!!気付いてへんのかいッッ!!」
「信じられへん…あんなバレバレやのに」と明らか引きの態度を見せる。
「そんなはずないよ…だって私は…」
そこから黙り込んでしまった月奈を見て、男はバツが悪そうに頭をワシワシかいた。
「お前…「ごめんください」」
「「?!」」
このセリフは――
「どなたですか。
幻狼に会いにきた親友の攻児です。
まあ!それはよくいらっしゃいました。
お入り下さい!
ありがとう」
ガチャ
現れた攻児にズベッと転ける2人。
「攻児…
久しぶりやんけ攻児ーッッ」
「さっきもおったんやさっきもーッッ」
お互い顔を合わすと腕を組んで踊り出した幻狼と攻児。
(…な…なんなんだι)
そんな2人を月奈はポカンと眺めた。