永遠を貴方と

□九話
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「…鬼宿?!
鬼宿どこ?!」

朝から美朱の声で目が覚めた。

「美朱…?どうしたの??」

「月奈ちゃんッッ!!
鬼宿がいないの!!」

え――

美朱の言葉に一気に眠気が吹っ飛ぶ。

鬼宿が居ない…?

まさか――ッッ

「机に広げてあったノートに何か書いてあるの。
月奈ちゃん読める?」

美朱からノートを受け取る……が

「………読めない」

「え―ッッ!!月奈ちゃん頭いいのに?!」

「いや、私がいくら唯ちゃんと学年トップ争う秀才でも中国語は…ι」

「美朱!どうしたのだ?」

「星宿!!鬼宿が…鬼宿がいなくなっちゃったの!!」

「星宿、これ読める??」

私は美朱のノートを星宿に渡す。

「…美朱…鬼宿はここにはもういない。
倶東国へ行く…と書いてある。
『自分が行って戦を止めてる間に必ず朱雀七星の残り3人を見つけてくれ』
『全員集まったら必ず帰ってくる』…と」

「う…そ…。
嘘よ!!だって昨日どこにも行かないって言ったもん!!」

「美朱…」

美朱の背中が痛々しかった。

どうして美朱ばかりがこんなツラい思いをしなくちゃいけないの…。

私は――

「月奈」

星宿に呼ばれ、振り返る。

「ここにお前への手紙もある」

「私へ?」

「『倶東は必ず食い止める。
だからお前は来るな』と」

「…ッッ鬼宿…ッ」

悔しい――

結局私は何も出来ない…ッッ
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