永遠を貴方と
□五話
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目を覚ますと見慣れた天井だった。
見慣れた…って感じるほど、もう長い間ここに居るんだな…と、少し不思議な気持ちになった。
「………ってッッ!!なんで宮廷に居るの?!!!」
ガバッと起き上がるとグラリと視界が歪んだ。
「……ッ」
そして次に右手の暖かさに気付く。
「…………ぬり…こ??」
私の手を握ってベッドに突っ伏して寝てるすみれ色の髪の美少年。
「………ッ///」
あまりにも綺麗な寝顔に思わず顔が熱くなった。
「男の子のくせにこんなに綺麗だなんてズルい」
すみれ色の髪に触れたくなって、ソッと手を伸ばす。
ガシッ
「わあッッ!!ιぬッ柳宿ッッ?!起きてたの?!!ι」
伸ばした手を寝ていたと思っていた柳宿に捕まれて驚いて声をあげる。
顔をあげた柳宿の真剣な目とかち合ったかと思うとグイッとそのまま捕まれたままの手を引かれた。
「ぬッ柳宿ッッ?!///」
あっという間に月奈は柳宿の胸に顔を埋める形になって顔を真っ赤にして慌てた。
暴れる私を柳宿はより強くギュッと抱きしめる。
「ぬり…」
「……あんたッどれだけあたしを心配させれば気がすむのよ…ッッ」
頭の上から降ってくる柳宿の声がひどく苦しそうで、私の心はズキンと痛んだ。
「ごめん…なさい…ッッ」
私は柳宿の背中にソッと手を回して謝った。