君が笑っていた 僕が笑っていた

□君が笑っていた僕が笑っていた…抜粋章…
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…君が笑っていた僕が笑っていた…

……………抜粋章……………………

マリ『で?…アキ君は?…元気にしてるの?』

奈緒『…それが…その…連絡つかなくて…』

マリ『は!?なにそれ!ゴタゴタも片付いて
てっきり仲良くしてるかと…え?もしかして倦怠期とか(笑)』

奈緒『…そんなんじゃなくて…』

マリ『…どれぐらい連絡ないの?』

奈緒『もう二週間かな…』

マリ『…メールも?』

奈緒『…ない…電話も出ないし…心配になって部屋まで行ったら車もないし…』

マリ『………まさか…他に女できたとか?』

奈緒『…だったらはっきり言うと思う…』

マリ『わかんないよぉ(笑)奈緒がそこまで信じきってる事が裏目になってるかもよぉ…ヒヒヒ』

奈緒『…なのかなぁ…』

マリ『あらら…噛み付いてこないわね(笑)』

奈緒『…その…わからなくもないの…連絡ないのが…』

マリ『…どういうこと?…』

奈緒『…結局ね…私が原因なんだよね…

多分…今凄く嫌なんだと思う…』

マリ『なにが?』

奈緒『自分の事が…』

マリ『なんで?』

奈緒『…結果的に私は自由になれた…けど…引き換えに長い時間かけてあの人が築いたものがなくなった…私は変わることなくアキの事好きだけど…あの人は多分…今の自分には何もないとか思ってると思うの…だから…離れた方がいい…みたいな事、思って…』

マリ『なにそれ…だからって…無茶苦茶勝手じゃん…アキ…あ、ゴメン、ムカついて呼び捨てになっちゃった(笑)それって奈緒の気持ち考えてないじゃん…てかさ…テメェで奈緒をどおにかしようと思って勝手にやったことじゃん…で、結果、奈緒は自由になりました…俺の目的達成ヤッター!…それで去って…ああ、俺っていいやつ…なんて、そんな時代遅れな人間なんて今時映画の主人公でもいないわよ…(笑)』

奈緒『…あ、あのさ…私の彼氏なんすけど…そんなボロカス…(苦笑)』

マリ『…けど どおすんの?』

奈緒『…どおすんのって…連絡しつづけるしかないじゃん…』

マリ『…あ!…エイジ君ならなんか知ってるかも…電話してみよっか…』

奈緒『…は?…てかなぜあなたがエイジ君に聞けるの?』

マリ『あぁ…アキ君がエイジ君連れて飲みに来たことあったじゃん…なんかあれから時々フツーに話すようになったの…』

奈緒『ふ〜ん』

マリ『…あエイジ君…ちょっと聞きたいんだけど…』

エイジ『…てかこっちも聞いて貰いたいんだけど…』

マリ『…なに?』

エイジ『奈緒ちゃんにアキ知らないかって…』

マリ『…あらら(笑)…知らないでしょ…こっちもそれ聞くのに連絡したんだもん…用件は済んだ(笑)じゃぁね…(笑)』

エイジ『…終わりかよ(笑)じゃぁな(笑)』

奈緒『なんて…』

マリ『向こうも探してるわ…』

奈緒『…なにやってんだろ…』

マリ『…ん!?あ!意表を突いてこんな時間に私が電話したらあっさり出るかも(笑)』

奈緒『出ないわよ(笑)』

マリ『取り合えず試しに……』

その頃アキは遠くにタンカーの浮かぶ田舎の海を眺めてた。

アキ『…なにがクジラだよ…ん?

…マリ…ってなんでまたこんな時間に…

…はい もっしも〜し…』

マリ『あ!出やがった(笑)』

奈緒『…え!…うそ…』

アキ『…え?…なに?』


マリ『なに?…じゃ゛な゛い゛わ゛よ゛〜 奈緒ほっぽらかしてどこでなにやってんのよ!』


アキ『えヘえぇぇ………』

マリ『何考えてんのよ…そんな映画の主人公いるわけないでしょ!
あんたが勝手にやってなんで奈緒が…』

アキ『え(笑)なんすか(笑)…全く話がわからないのですが………』

奈緒『通じてないよきっと…(苦笑)』


マリ「ハァ…ムキキキキキ〜っ あ゛〜ムカつくぅ〜何でもいいから奈緒が謝って会いにきなさいよっ!』

アキ『逆じゃね(笑)』
奈緒『逆じゃないの(笑)なんで私が謝るの(笑)』

マリ『もぉムカつき過ぎて訳がわかんないわ…』

アキ『訳わかんないのおまえだよ(笑)』
奈緒『訳わかんないのあんただよ(笑)』

マリ『…いいわとにかく奈緒に変わるわ』

アキ『…え……いるの…』

マリ『いるわよっ…奈緒クソミソに言ってやんなさい…ほっぽらかして心配しっぱなしだったんだから....』

奈緒『………アキ…元気なの?』

アキ『…ゴメン…そのなんていうかその…』

マリ『え゛え〜っ 全然優しいじゃ〜ん〜
なにこのしっとりした感じ....わ、私…馬鹿じゃ〜ん』

奈緒『…ううん…謝らなくていい…今…どこなの?…』

アキ『…海…』

奈緒『どこの?』

アキ『田舎……』

奈緒『そ…いつ戻ってくる?』

アキ『………気が済んだら…』

奈緒『……わかった…それまで待ってるね…』

マリ『え?終わりなの?なんて?』

奈緒『…海にいるんだって…』

マリ『…は?』

奈緒『気が済んだら戻るって…』

マリ『なにそれ!で?あんた待ってるって…そんなんで………』

奈緒『ゴメン…晩御飯一緒に作って食べるの今日は付き合えない…
アキのとこに行ってくる…』

マリ『そ…気が済むの待つんじゃないの?』

マリは優しい表情をした。

奈緒『今会いに行ってあげないと…もう会えない気がする…私じゃなくてあの人が勝手に思い込んで私に会いづらいって思って仕舞うような気がするの…』

マリ『…考えてる事がよくわかるのね…』

奈緒『愛してるから……今度は私の番なの…』

マリ『へ!?』

奈緒『じゃ行ってくる…』

マリ『え…ああ…うん…』

奈緒はマリの部屋を飛び出していった。

マリ…あの娘の口から…愛してる…って…

初めて聞いた…


マリ『…なんだか羨ましい…あんな必死になれて…
しっかしどおしよ…この食材…
あ!さっき電話したついでにエイジ君でも突いてアキと奈緒の悪口でも言おうかしら…(笑)』


アキ『…どおしてこおなんでしょ俺(笑)いい歳して 無職 て(笑)なにやってんだか…いくら人が喜んでも自分が後先見えない状態になれば流石の奈緒ちゃんも嫌になるでしょう…ま、別に頼まれた訳じゃないし自分が勝手にした事だから…う〜んけど失くなって気づくこの馬鹿さ加減…大体走り過ぎなんだよ一人で…あ〜あって感じ…どおすんのこれから…奈緒可愛い…けど 今の俺 アホ…ブツクサ ブツクサ ブツクサ…』


マリ『もしもし何度もゴメン…』

エイジ『なに?』

マリ『今日暇?』

エイジ『暇だけど…』

マリ『奈緒と晩御飯作って食べる約束してたんだけど駄目になって…
食材が余っちゃって…良かったら一緒に作って食べない?』

エイジ『いいけど…奈緒ちゃんはどうしたの?』

マリ『…さっきアキ君迎えに出ていったわ…』

エイジ『…連絡ついたんだ』
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