*novel*

□Christmas
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12月24日…空には分厚い雲がかかっていて、いつ雪が降りだしてもいいような寒くて少し暗い日だった。
しかしそれとは反対に道は何色にもキラキラと光っていて、今の季節にぴったりなクリスマスソングがどこからともなく流れていた。

人々は足早に道を行き来し、みんな楽しそうに笑っている。
リーマスはクリスマスプレゼントを用意していないのに気が付いて、慌ててマグルの街まで買い物に向かっていた。
わざわざマグルの街まで出ようと思った理由は、珍しいものを買いたかったからだ。
ホグズミードでも目当ての物を見つけられたかもしれないが、結局は魔法仕掛けの物になってしまう。
それに、学校から近すぎて他の先生や生徒に見られてしまうかもしれない。
もしプレゼントを買うのを見られたら、それをあげる相手をほぼ必ず聞かれるだろう。
恋人と言う訳でもない、しかもすこぶる評判が良くない相手の名前が出せようか?

(私は言っても構わないんだけど…)

本人の嫌そうな顔が簡単に想像できてしまい、リーマスは小さく苦笑した。

多くの学生が自宅に帰っているので、むしろホグズミードの方が良かったかなと思いつつマグルの地下鉄を降りたが、一歩街へ踏み出してしまえば自分たちのことでいっぱいいっぱいの人で溢れていた。
リーマスは特にプレゼントの目星を付けずに来てしまったので、とりあえず歩き出した。

クリスマスカラーで彩られた店内ではどの商品もキラキラしていてとても魅力的だった。
しかし、どうもどれもしっくりこなく、時間だけが過ぎるだけでなかなか決まらない。
本屋、時計屋、ブティック…いっそケーキと七面鳥でも良いかもしれないと思いながらフラフラと歩いていたが、空腹を感じ時間を確認すると昼食時をとっくに過ぎていた。
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