*novel*

□たまには
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最初は、試験管を扱う手がやけに白くて目についた。
黒い服を着ているからかなとリーマスはぼんやりと思いながら、目線は首筋へ。
いつも髪に隠れているそこは、今日はよく見える。
薬品を調合する際、セブルスは稀に髪を結ぶことがあるのだ。

日焼けを知らない肌は、やはり白かった。





―――たまには





リーマスは自分の手を見てみる。
お世辞にも健康的とは言えないが、それでもセブルスのような白さではない。

何処もあんなに白いのだろうか、とリーマスは再びセブルスに視線を戻す。
指、手の甲、手首。
首、顎、頬、そして引き寄せられるように黒い瞳と目が合った。

そこでやっと、セブルスに見惚れていたことに気付いたリーマスは、はっとして顔ごと横に目を逸らした。
どきりとしたのは目が合った一瞬だけなのに、どんどん顔に熱が集まってくるのが分かる。

視界の端で、セブルスが笑った気がした。

恥ずかしくてなんとなく悔しくもあり、視線は合わせないまま。
不自然に彷徨わせていたが、すぐに行き場を失って自分の青白い手元へと戻った。

手首には包帯が巻かれている。
自分は今まで、先程の白い手に何度助けられたのだろう。
綺麗に巻かれた包帯をなぞると、もう痛みは感じなかった。

落ち着きを取り戻したリーマスは、また視線をセブルスに向ける。
とっくに作業に戻ってしまった彼は、いつもの無愛想な彼で。
邪魔をしないよう、リーマスはそろりと作業部屋から退出した。
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