*theme novel*
□絡めた指
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触れた瞬間、ふわっとしたシャンプーの香りに少し眩暈を覚えたセブルスは、今の状況を激しく後悔した。
目の前には元同級生の現同僚、リーマス・ルーピンが鼻歌を奏でながら顔を向こうにして座っている。
右手には鋏、もうここから脱出するには遅すぎると今更ながら気が付いた。
―――絡めた指
「セブルスからこんなこと申し出てくれるなんて…自分ではやりたくなかったから助かったよ〜」
いつも以上に眉と目尻を垂れ下げて、リーマスは言った。
ことの始まりは本日の夕食時にまで遡る。
リーマスがいつも通りセブルスの隣の席につき、いつも通り他愛のない挨拶があり、いつも通り食事をし始めた…と思ったのだが。
「ねぇ、君はどこで髪の毛を切ってもらってるの?」
「…それを聞いてどうする」