*theme novel*

□儚い吐息
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昨夜は満月だった。
セブルスはこの学校に赴任してから、校長の手筈で脱狼薬を作れるようになった。
まだまだ研究者も理解者も少ないこの時代に、これほど熱心に実験を許してくれる場所などそうそうなかっただろう。
それに、彼は前々からこの薬に興味があった。
そう、まだ生徒としてこの学校に在籍していた頃から。




―――儚い吐息




今はすっかり大人になって教授という立場でこのホグワーツ魔法魔術学校に在籍している。
コツコツという足音が、その学校の廊下に響いていた。
今はちょうど夜が明けた頃だろうか。
セブルスは満月の夜に化け物に変身する彼の同僚の部屋へと足を進める。
薬は初めて作った訳ではないし、初めて服用させた訳でもない。
ただ、この学校に来てから最初の満月だったし、どの道レポートを校長に提出しなければいけないので様子を見に来たのだ。
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