text
□終焉は
1ページ/2ページ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
叫ぶような、呟くような音。
女の、その声が、扉から漏れる。
ついに壊れたか、無理もない。
いきなり家族を皆殺しにされて連れ去られて窓も灯りもない部屋に閉じ込められて、それが自分の能力をオレ達幻影旅団に目付けられたせいで。
除念なんて珍しい能力持ってるから、それを隠そうともせず不治の病と思い込んでる奴らを治すから、聖者なんて崇められてるから、
「念盗るか」
なんて団長言ってけど除念のかわりに寿命を一年ずつ削りとられるらしいから止めといた。
おかげで殺すわけにいかないのはわかるけど、だからって、なんでオレが面倒見なきゃいけないの?って思ったけど、その場にはフェイタンしかいなかったし、フェイタンなら散々、拷問かけた挙げ句殺しちゃうだろうからしょうがない。フェイタンは自分が面倒みたそうな顔してたけど。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‥‥
声は絶えず響く。
まるで機械音だ。
そんなに叫んでたら声潰れちゃうよ?
可哀想だな、なんて思わなくともないけど、だからといってオレは見てるだけ。
だってどうでもいいから。
正直、除念という能力は珍しいけど今必要なわけでもないし、女が死のうが壊れようがどうでもいい。
団長は偉く気に入ったみたいだし、なんかに使えるかもしれないからだって言ってるけどさ。
どうせ今まで散々能力使ったせいで大して長くはないだろうし。
どうでもいい。
たとえ、それが自分の愛した女でも。
君の
終焉は、
オレが。
皆殺しにする必要なんかなかったけど君が悪いんだからしょうがない。
(捨てた男に全て壊されたから君も壊れたの?)
アトガキのようなもの→