その他版権

□鎖骨を甘噛み
1ページ/2ページ

「日向くん、お腹すいたー」


ベッドの上にうつぶせになりながら、六道は足をばたせつかせた。机に向かっていた日向は、ぴしゃりと言い放つ。


「知るか。草でも食ってろ」

「えー、なにそれひどい!」


上体を起こし、六道は不満げに日向を睨みつけた。しかしそれで日向がひるむわけもなく、表情一つ変えずに彼を見つめる。


「なら我慢するんだな」

「やだ」

「やだじゃないだろ、どこの駄々っ子だ」


溜息を吐いた日向は再び机上に視線を戻した。その数秒後、読んでいた資料に自分以外の影が映る。振り向くより早く腕を掴まれ、立ち上がされた。そのままをしりもちをつくかたちで、ベッドの淵に投げられる。


「おい、ふざけんな!」


声をあげる日向を無視し、タイを閉めずだらしなく開くシャツをさらにひろげた。はっきり顔をのぞかせた鎖骨を甘噛みする。


「じゃあ日向くん食べる」

「冗談。食べられるのはお前の方だろ」


腰をかがめている六道の肩を掴み、ニヤリと笑った日向は彼をベッドに押しつけた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ